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7/26 SATGREEN STAGE

ザ・クロマニヨンズ

ここにクロマニヨンズがいるという"特別"

「オーライ、ロックンロール!」と甲本ヒロトのシャウトからスタートした”弾丸ロック”でいきなりグリーンステージのオーディエンスの心を撃ち抜いたザ・クロマニヨンズ。「我々は、クロマニヨンズだ!」と”タリホー”へ続けると、ステージ前方はモッシュの嵐に。メロウでド直球なロックンロールを全開させる”紙飛行機”、”炎”、”エイトビート”と畳みかければ、グリーンステージは巨大なライブハウス状態だ。ステージ上手に仁王立ちの真島昌利が奏でる硬質なギターの音色が、トンボが飛ぶ夕暮れの苗場に痛快な熱狂を届けていく。

突然、桐田勝治がドラムロールを叩き、それに合わせてヒロトがTシャツを脱ぎ始める。もちろんオーディエンスは大歓声だ。「昨日から同じTシャツを着てたので、もう限界なんよ。昨日(ROUTE 17 Rock’n’Roll ORCHESTRA)も見てた人、同じTシャツをいっぱい持ってると思ったやろ?一つしかないのです」と大事な一張羅を脱ぎ捨てて上半身裸になったヒロトは「新しい曲をやろうと思います。緊張するなあ」と語って、8月にリリースするニュー・シングル”キスまでいける”を披露。ブギー調のナンバーがグリーンステージに爽快な熱気を運ぶと、「割と上手にできたと思います。よかった」としてやったり顔である。「じゃあ、調子に乗ります」と”キスまでいける”のカップリング曲”突風野郎~愛のテーマ~”を続ければ、ストーンズばりの豪快なロックンロールチューンにフィールドの興奮はさらに加速する。

「フジロックはな、個人的には第1回目から出させてもらって、特別なんよ。でも、フジロックだから特別なんじゃなくて、今日という時間、今この場所が大切なんやから。みんな、楽しんで帰ってな。まだ半分ぐらいやろ?ええなあ、楽しみがいっぱいあって」とフジロッカーをうらやましそうに見つめるヒロト。ホントにこの人、音楽が好きで好きでしょうがないんだな。「隣の人の歌が下手くそでも、フジロックでは我慢してな。あと、僕が歌詞を間違っても、我慢してな(笑)」と”グリセリン・クイーン”を歌えば、グリーンステージは大、大、大合唱だ。”流線型”、”飛び乗れ!!ボニー!!”とぶっ続けると、汗をぬぐいながらヒロトが再びMC。「今日はこんなに天気がよくなると思わんかった。こんな日は時々、お水を飲みなよってな、西城秀樹が言うとった。あと、所ジョージも言うとったわ」。これにはオーディエンスは大爆笑。意外とヒロトってテレビっ子なんですね。

“スピードとナイフ”に続けた”雷雨決行”では、ヒロトは「夢がオレたちを見張ってる」と歌いながら、手を丸めて望遠鏡をのぞくようにグリーンステージを見回していた。そんな彼らの一挙手一投足がオーディエンスを夢中にさせる。心を捕まえて離さないヒロトの歌声、どうしようもなく胸を昂ぶらせるマーシーのギター、そして心も体も飛び跳ねずにはいられない小林勝と桐田のリズム。ロックンロールの真髄だけを切り取ったクロマニヨンズのソリッドな音楽は、”オートバイと皮ジャンパーとカレー”、”突撃ロック”と続く。”ナンバーワン野郎!”ではヒロトが高らかにブルースハープを奏で、オーディエンスを痺れる。全シングル曲を連発した、どこをとってもキラーチューンばかりの鉄壁ライブは、「人間!人間!」という大合唱に包まれた”クロマニヨン・ストンプ”でグランドフィナーレ。クロマニヨンズが今ここにいるという特別な感動を、グリーンステージ中のオーディエンスが味わい尽くした1時間全17曲の超濃厚のステージは、間違いなく今年のフジロックのハイライトの一つだろう。ヒロトは最後、しれっとパンツを下ろして帰って行った。

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