BIG WILLIE’S BURLESQUE FUJI REVUE
バーレスクとスウィングジャズの魅惑のランデヴー
14時過ぎのカフェ・ド・パリは既に人がいっぱい。このフジロック会場の最果てのステージで観客が待っているのは、そう、フジロックではすっかりお馴染みになったウィリー率いるビッグ・ウィリーズ・バーレスクだ。今回はフジ・レビューと題されたパフォーマンスを見せてくれる。暑くて、あちこちでパタパタと団扇を扇ぎながら観客が座ったまま待っていると、MCのRogerioさんが登場した。「ボンジュール!座っているなんてダメダメ!みんな立って、立って、ウィリーが来るよ!」と煽られて、観客はおもむろに立ち上がる。大歓声に迎えられてウィリーたちバンドがステージに現れた。
「音楽が聴きたいか?」「イェーイ!」「ダンサーが見たいか?」「イェーイ!」という応酬があった後、演奏が始まり、初っぱなからセクシーなバーレスクダンサーが登場。ステージ前につめよる男たちの中にはカメラを構える者もあり、みな一様に顔を輝かせている。観客には女子も多く、みなバーレスクのショーを楽しみにしているようだ。総勢4人のダンサーが交互に登場しては悩ましい動きで観客を魅了する。一人ずつ短いソロを踊った後、ステージ上に4人が揃い、ぷるんと柔らかそうなヒップや、形のきれいなバストを突き出しては体をくねらせて踊る。もちろん大事な部分は見せないけれど、そのチラリズムがますます想像力を掻き立てる。実にエロい!男子は鼻の下を伸ばして、背の低い女子は首を伸ばして、ステージ上のダンサーに釘付けだ。
ダンサーがステージを去ると、今度は「エリーゼのために」のジャズ風にアレンジした曲をプレイし始めた。華やかなダンサーたちに気を取られてうっかり忘れそうになるが、ウィリーをはじめとするバンドのメンバーはみな名うてのミュージシャン。どんなにダンサーに絡まれたり迫られたりしても決してビートを崩さないウィリーのドラムさばきはもちろん、ベースもフルート、キーボードも素晴らしいテクニックを持って、グルーヴィーなスウィングジャズを奏でている。立っているだけで汗が吹き出すほどの熱気に包まれたカフェ・ド・パリで、観客が音楽に合わせて体を揺らす。
ジリアン、モリー、ニッキー、カロリナが順々に、コケティッシュでセクシーなソロを踊り、そのたび絡まれるウィリーの表情がなんともチャーミング。フジロッカーズに愛されるわけだ。メンバー紹介の後ラストソングが始まり、カラフルなウィッグをかぶったダンサーたちが再び登場。大盛り上がりを見せたビッグ・ウィリーズ・バーレスクのステージは、最後にメンバー全員が手をつないでお辞儀をしたのを合図に終了した。素敵な音楽と妖艶なダンスが楽しめる、とっても贅沢なパフォーマンス。未見の人は是非、3日目の彼らのラストパフォーマンスをお見逃しなく!
posted on 2014.7.26 14:30
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