JONATHAN WILSON
苗場はマジカル・プレイス!
今夜、ここフィールド・オブ・ヘブンのトリには、元グレイトフルデッドのフィル・レッシュ率いるフィル・レッシュ・アンド・ザ・テラピン・ファミリー・バンドが出演するということもあって、タイダイTシャツを着たデッドヘッズが多く散見される。そんな60年代~70年代のヒッピー・ムーブメントを感じさせるピースフルな雰囲気が今日のヘブンには漂っているのだ。これからここに登場するのは、70年代初期のローレル・キャニオンの音を、更新し表現するヒッピー・ロッカーのジョナサン・ウィルソンだ。
4時を過ぎでもまだまだ酷暑状態の中、開演時刻ちょうどにジョナサンとバンドが登場した。ジョナサンは、タイダイ・タンクトップにスキニー・ジーンズ、そしてグラサンをかけた髭面といういかにもな出で立ち。白のテレキャスターの乾いた音色を気だるく響かせ、フリートウッド・マックのカバー曲、”Angel”から本セットをゆっくりと開始した。のっけからこの気だるさ。この時間帯の疲れた体におあつらえ向きとしか言いようがない音を奏でる。
それにしても、本日のセットリストの間ずっと感じていたことだが、この人、ギターが半端なく巧い。特に間奏の流麗なスライドギターの調べとその聞かせ方が、めちゃめちゃかっこいいのだ。ロマンチックな音色が美しい”Dear Friend”では、サイケ感たっぷりにエフェクトをきかせたギターフレーズが、あちらの世界へと我々を誘う。ジャムセッション・パートにおける、ドラムとジョナサンのギターの息もつかせぬせめぎ合いは圧巻の一言だ!
「ここに来れて嬉しいよ。ここはマジカル・プレイスだな!」とMCを入れ、塗装のはげ具合から使い込まれていることがうかがえるストラトキャスターを爪弾く。リヴァーヴ感の充満した音を出力し”Natural Rhapsody”がスタートした。日も落ちはじめ、涼しい風も吹きゆったりとしたその音色が、ヘブンという場にベストマッチで実に心地よい。続いて、ジョナサンはアコギに持ち替え、ブルーズ・ハープを首にかけ、デヴィッド・クロスビーを思わせる”Moses Pain”のフレーズを静かに奏ではじめた。会場をその音でピースフルに包み込むのだ。ヘブンは今、70年代初期のアメリカ西海岸へタイムスリップしている。これぞ至高の気持ち良さというやつだ。
ラストは、テレキャスターに持ち替えて轟音を出力し、ヘヴィでブルージーな”Valley of the Silver Moon”へ。間奏の長いジャムセッションで、バンドはこれでもかと存分に演奏しまくり渋く本セットを締めくくった。ジョナサンは一言「ピース!!」と叫び、爽やかにステージを後にした。
-Setlist-
Angel (Fleetwood Mac cover)
Dear Friend
Desert Raven
Natural Rhapsody
Moses Pain
Valley of the Silver Moon
posted on 2014.7.26 15:50
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