Muff
変幻自在なリズム
日も暮れて暗くなったジプシーアヴァロンには、ステージからはちょっと離れたところに椅子を出したり地面に座っている人たちがいた。観察していると、次のMuffの演奏を待っているような人もいれば、食事をしながら一休みしているような人もいる、といった感じだった。
メンバーが自らチューニングを行い、音の確認を兼ねたセッションのようなことが始まると、もう演奏が始まったのかと思った人が足を止めたりしていた。そして、チューニングが終わった後もメンバーはそのままステージ上に残り、青色の照明に代わりステージ向かって左のギターの人がテルミンの音を鳴らし、ライブ本編がスタートした。
はじめはゆっくりとしたテンポで演奏を始め、徐々にテンポを上げていくとそれに反応してそれまで座っていた人も立ち上がりだして踊り始めた。そしてガッ!とギターを掻き鳴らすと待ってましたとばかりに歓声を上げる。道行く人も何かライブやってると足を止め出した。そして左手のギターの「ようこそフジロック!ようこそジプシーアヴァロン!楽しい時間を過ごしましょう!」という掛け声のもと次の曲に突入した。
そこからはテンポを緩急自在に操って観客を踊らせる。テンポが上がりはじめこのまま上がり続けるかと思ったら上がらない。そして、次の盛り上がりどころはいつ来るのかと体を音に身を任せていると、急に一気にリズムが早くなったり。音に大きな変化があると、それに対して大きな歓声が湧き上がる。その様子はまるでコールアンドレスポンスが行われているようだった。気づけばかなりの数の人が足を止めて踊ったりじっくり聞き入ったりと各々のスタンスでその場を楽しんでいた。
「ありがとうございました!」という挨拶の後に演奏された最後の曲は、これまでの踊らせる曲とは違ってじっくりと聴かせる壮大な感じの曲だった。その曲が夜のアヴァロンの雰囲気とあっていてとても心地良かった。そして曲の最後の方でタイミングを測ったかのようにシャボン玉が宙に舞った。場の雰囲気をさらに盛り上げる最高の演出だった。そして「最高の時間でした!このまま晴れが続きますように!」という挨拶でライブは終了した。素晴らしいライブだった。
posted on 2014.7.26 19:30
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