THE PAINS OF BEING PURE AT HEART
新たなる旅路
幼馴染たちと結成したバンド、ザ・ペインズ・オブ・ビーイング・ピュア・アット・ハート(以下ペインズ)。今やオリジナルメンバーはキップ・バーマン(Vo&Gt)ただひとりとなっている。現在はサポートメンバーを入れて、バンド活動を行っている。東日本大震災が襲った2011年のフジロックの際には、「私達は所詮バンドでしかなく、食料、水、何万もの人々の避難する場所の方が音楽よりも当然重要ですが、私達は今年の夏に行われるフジロックに参加することを100%誓います」という励ましのメッセージを送ってくれたことも記憶に新しい。
断続的に降り続く雨のせいか、レッドマーキーを雨宿りとして利用している人も多いのだろうか。開始15分前の時点で、8割くらいの人が詰めかけていた。事前に知ってはいたけれど、サウンドチェックを行なっているメンバーがキップ以外みんな変わっているという事実が目の前に現れると、少し悲しい気持ちになってしまう。
repliche orologi
最新作の『デイズ・オブ・アバンダン』はマイ・ブラッディ・ヴァレンタインの『mbv』を手掛けたアンドリュー・サヴールをプロデューサーに起用しており、以前と変わらぬシューゲイザーサウンドやギターポップサウンドを聴かせてくれることは間違いないのだが、メンバーが自分ひとりになったことで、ペインズの音が変化するのではないかという不安を持ったファンも少なくないと思う。そんな不安を振り払ってくれるかどうかも、今日の注目点のひとつだろう。
キップがギターを携え、ひとりでステージに上がる。一曲目に演奏されたのは、新作の冒頭トラックでもある“Art Smock”。そして、二曲目の“Until The Sun Explodes”以降からは4人のサポートメンバーが加わり、バンドとしての新生ペインズを披露する形となった。中盤には「2011年に初めてフジロックに出演することができて夢が叶ったよ。今回、また出演することで、2度も夢が叶った。チャンスをくれてどうもありがとう」と感謝の気持ちを伝えていた。音楽というものは演奏している人の性格が如実に伝わるのか、彼らの楽曲は胸が暖かくなるものばかりだ。
演奏された曲目をみるとわかるように、ライヴの軸になっているのは“Young Adult Friction”や“This Love Is Fucking Right For You”といった1stと2ndの楽曲たち。だが、以前とは違ったアレンジを施しており、キップ自身も試行錯誤しながらのライヴだったのかもしれない。ラスト二曲も“Belong”と“The Pains Of Being Pure At Heart”という2ndと1stを象徴する曲を披露してライヴの幕を閉じた。形式的にはバンドだが、実質的にはソロとして活動がはじまったキップ。ペインズというバンドをどのようにアレンジしていくのか、目が離せない。
—Set List—
Art Smock
Until The Sun Explodes
Heart In Your Heart
The Body
Corel & Gold
Simple & Sure
Come Satarday
Young Adult Friction
This Love Is Fucking Right For You
Eurydice
Belong
The Pains Of Being Pure At Heart
posted on 2014.7.27 15:10
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