チャラン・ポ・ランタン
フェスティバルの幕開けを告げる景気づけの一発!
遂に幕を開けた2015年の前夜祭。レッドマーキーには休日前夜のワクワク感に似た、前夜祭ならではの高揚感が漂っていた。みんなまだまだ元気だし、明日から始まるお祭りに興奮を抑えられない様子だ。
ステージに2人のシルエットが浮かび上がると、膨らみきった期待が大歓声に変わった。1曲目は、叙情的なアコーディオンのメロディが印象的な〝空中ブランコ乗りのマリー〟。時より奇声を上げながら加速していくボーカルのももを支えるように、バンドも徐々にテンションを上げていく。そのまま一気に駆け抜けたももが「前夜祭! 日本代表チャランポ・ランタン!」と力強く宣言。「フジロックへようこそ!」の声に会場のボルテージは一気に沸点へと達した。
ライブでの定番曲でもある〝スーダラ節〟が鳴り響くと、フロアは一気にダンスホールと化す。「飲め!踊れ!」という意思表示のような曲に、この日を待ちわびていたフジロッカーたちがシンパシーを感じないはずがない。酒瓶を片手に「やめられねー!やめられるわけねーだろ!」と叫ぶももにあおられ、オーディエンスが一斉にカップが突き上げる光景は圧巻だった。
今年はじめてサポートバンド・カンカンバルカンを引き連れてフジにやってきた彼女たちの勢いは止まらない。小春が「さっきからちょいちょい写真を撮ってる人がいるんだけど」と客のマナーを指摘したかと思うと、「それは不公平だと思うので、次の曲はみなさん写真撮影OK!」という粋な計らいで観客を沸かせる。自分たちの音楽を表現するだけでなく、大勢の観客を引き連れて愉快な空間を作り上げていくという彼女たちのライブは、まさにエンターテイメントというに相応しいものだった。明日、フィールドオブヘブンで行われるライブにも大いに期待したい。