Upendra and friends plus Mr. Sunil and Babu
Music for Rivival Happiness
Reiからバトンを引き継いでアバロンステージに登場したのはウペンドラ・アンド・フレンズ。近年のフジロックでは連続して出演していることもあり、アバロンステージでもお馴染みのアーティストにもなってきている彼ら。水曜日にはスタッフ限定ではあったがシークレットでライヴをやったとのことで、バンドも万全の状態で今日を迎えていることは間違いないだろう。
ステージ上手には“Music for Rivival Happiness“ Pray for Nepal !というメッセージが掲げられている。やはり彼らにとって今日のステージはただのステージではないのだろう。今年の4月にあったネパール地震をうけてのメッセージであることは明白だが、2011年に同じように地震を経験し、再び前を向いて歩き出している僕達にとっても考えなければいけない重要な問題である。ライヴのMCでも「地震も災害も、戦争もこれ以上いらない。ハピネスが大事だよ」と語っていたように、僕達にとって、何が幸せなのかを考えるというのはとても大切なことなのだ。
もちろん、演奏はそんな説教じみたことはなく、ゆったりとまったりとジャム・バンドのようにさまざまな曲調に変化しながら進行していく。オーディエンスを盛り上げるところと聴かせるところをしっかりと用意しており、アバロンにくるオーディエンスのことは何でも知っているというか、力の入れるところと抜くところのバランスが絶妙なのである。サランギ、マーダル、ディメーといったネパールの民族楽器で唯一無二のグルーヴを生み出し、心地よさに誘わられて寝入ってしまう人もちらほらと見受けられた。
ステージを去るときも手を合わせて丁寧なお辞儀をしていた彼ら。その真摯な姿勢が音楽にもしっかりと現れていた心あたたまるライヴだった。