MANNISH BOY
永遠のロック少年たちに心奪われた夜
現在、「MANNISH BOYS 2015 TOUR」の真っ只中のマニッシュボーイズは、サポートに堀江博久(Key)を交え、息もつかさぬスリリングなバンドアンサンブルでレッドマーキーを魅了する。まずは”MANNISH BOYSのテーマ”でオーディエンスを沸かすと、中村達也(Dr)は「マ、マ、マ、マニッシュボーイズ! フ、フ、フ、フジロック!」と煽りつつ、なぜか「モーターヘッド」とボソリ。斉藤和義(Vo&G)は「モーターヘッドの楽屋に、プレイボーイに出てくるお姉さんがたくさんいた」と嬉しそうに語っていた。”Dark is easy”ではダンサブルなビートでフロアを踊らせ、”猿の惑星”ではオーディエンスが一緒になって「ウッキッキッキ!!」と大合唱だ。3人の骨太でシャープなサウンドがレッドマーキーを心地よく揺らしていく。
「次は最近出したシングルで、ぜひ安倍さんに聴いてもらいたい曲です」と斉藤が語って歌ったのは、陽気だがメッセージ性の強いナンバー”曲がれない”だ。さらに”レモネード”で野性味溢れるビートと哀愁の漂うギターを響かせると、MANNISH BOYSが2011年に初めてフジロックに出演して以来、いろんなことがあったとしみじみ語り始める。斉藤が「40過ぎてあんなに怒られるとは思ってもみなかった。ザマミロと思います」と例の騒動を振り返えれば、中村も「その間、いろんなバンドが解散した。俺たちもめでたく……今に至る」と苦笑い。「いろんな先輩たちが支えてきたであろうフジロック。今日は大好きだった先輩の曲をやりたいと思います」と斉藤が語ると、中村が「行くわよ、坊やたち!」と叫び、シーナ&ロケッツの”ユー・メイ・ドリーム”を披露。ステージに今年亡くなったシーナの映像や動画や映し出される中、マニッシュボーイズは燃え上がるような熱演を彼女に捧げた。
イントロからフロア中にハンドクラップが鳴り響いたのは、ロックンロールナンバー”GS750″。さらに「フジロック、踊ってくれ!」と語って披露した”CRAZY NURSE”は、豪快なギターリフとビートでオーディエンスを熱狂に包む。間髪入れずに”Mach Venus”を畳みかけ、コール&レスポンスで大いに盛り上げて青臭く疾走する”GO! GO! Cherry Boy”へ。各ステージのヘッドライナーの時間が近いためオーディエンスの入りはやや寂しいものがあったが、集まった観客の熱の高さは本当に凄まじいものがあった。ラストに再び”MANNISH BOYS”のテーマを演奏し、笑顔でステージを去ったマニッシュボーイズ。そのロックンロールの核心だけを鳴らす彼らの練達と無邪気さとを併せ持ったパフォーマンスに、オーディエンスからはいつまでも拍手と歓声が送られていた。