GALACTIC featuring MACY GRAY
名うての腕利きバンドと、曲者ディーヴァが織りなす"ザ・苗場"なグルーヴ
本日のヘブンのトリを飾るのは、ニューオリンズからの刺客にしてフジロックの常連者、ギャラクティックだ。しかも、ソウルディーヴァのメイシー・グレイをゲスト・ヴォーカルに迎えてスペシャルなショウになるというのだから、観ないわけにはいかない!いかにもソウルやジャム・バンド系が好きそうな連中がどんどん終結してくる。
開演時刻ちょうどにスタントン・ムーアがドラムをドカドカ叩き出し、”Sugar Doosie”から開演!サックスのベン、トロンボーン奏者、ギターのジェフが順に、幾度もキレッキレのソロをかますのだ。最後はバンド一斉に音を出力し、最高のグルーヴを醸成し締めくくった。「Fujirock! Good to see you again!」とベンが一言。
ベンが満を持してメイシー・グレイをステージに呼び込む。キラッキラッのスパンコールが散りばめられたドレスに身を包んだメイシーが2名のバックボーカルを引き連れステージに姿を見せた。ファンキーかつパワフルに、余裕綽々な表情で歌い上げていく。
“Relating to a Psychopath”で際立つロバートのベース。ビンビン腰に響くグルーヴィーなビートがヤバすぎる! 絶妙なタイミングで、コール&レスポンス合戦がはじまり、オーディエンスは笑顔でメイシーに応戦するのだ。
メイシー自らギャラクティックのメンバー紹介をし、通訳のスタッフを呼び寄せ、「自己紹介してください。カウント1・2・3で自分の名前を叫んでください!」とオーディエンスひとりひとり語りかけるのだ。その場の全員が自分の名前を誇らしげに叫んだことだろう。
“Stoned”の後、メイシーはいったん下がり、ギャラクティックの真骨頂たる怒涛のジャム・セッションに突入する。ジェフが流麗なギター・ソロを披露し盛り上げる。2名のバックボーカルの一人、ジェリーが再登場し、「フジ・フェスト!」と叫び、手を連打し”Right On”を歌い上げるのだ!彼女の力強い歌声にフロアから大歓声がおくられた(メイシーよりはるかにパワフルな声量だ!)。続く”Higher And Higher”をロックに歌い上げ、フロアを沸騰させてしまう。
メイシーがピンクの衣装に変えて再登場し、ギャラクティックとのコラボ曲”Into The Deep”を披露。一斉にフロアのみんなが手を左右にウェーブさせる。ムーディーでヘブンにぴったりの曲だ。
ギャラクティックの面々が奏でる渋いグルーヴが渦巻く中、ジェリーが「メイシーにもう1歌ってもらいたでしょ!?」とフロアの歓声を促す。またしてもド派手な衣装で登場し、超名曲”I Try”を披露。空に向かってみんなで叫ぶシーンが頭から離れない。また、先ほどの通訳のスタッフを呼んで「何をしていいかわからない時は、自分を美しいと思ってください」とボブ・マーリーの”No Woman No Cry”を挿入し感動的に本曲の幕を下ろした。感極まって涙を流しているファンもいる。感動的な光景だ。
アンコールで、ベースとドラムの圧巻のソロで再度フロアを興奮の渦に叩き込む。そして最後の最後にメイシーを呼び込みフロアを盛り上げまくり、メイシーはきらびやかなストールをフロアに投げ込んで(一回失敗したけど)、にこやかにステージを後にした。ギャラクティックとメイシー・グレイ。これほど苗場にどんぴしゃなコラボがあるだろうか?彼らの織りなす心地よすぎるグルーヴに、いつまでも浸っていたかった。