PERROSKY
音の隙間を活かす2人組
レーヴェンが公式で5ステージに出演なら、ペロスキーは公式で同じく5ステージ、加えて前夜祭のレッド・マーキーにも出演しており、プロモーションを除いた出演回数でいえば、レーヴェンのお株を奪う存在だった。
ギターとドラムだけのミニマムな編成であるため、レーヴェンのような派手さはない。むしろ、シンプルの極みで真逆の存在だ。どうしても手数では埋められない隙間が、あるにはある。だが、短所よりも、端々に隙間を活かすためのアレンジやアイデアがふんだんにちりばめられ、それぞれの音の粒がしっかりと立つ結果となり、かえって、長所となっている。例えば、スライド奏法に被せられた歪み。それはまるで金属の肌をなぞるような響きを生みだし、極めて豊かな抑揚をつけている。ひとつの独特な世界を生み出すことに成功しているのだ。
彼らのガレージ・ロックに根ざした音は、いなたさが前面に出ている。よくよく調べてみれば、ジョン・スペンサーの手でプロデュースを受けていたとのこと。土を手づかみで食べながら歌っているかような、奇抜すぎるジョンスペの元で育っていたならば、人数のハンデを長所とするような、秘伝のノウハウが教え込まれていても不思議ではない。
2人だからといって、「音が足りない」などという印象はまるでなく、むしろ、盛り上がりを加速させ、クリスタル・パレスの夜を彩っていた。