FUJIROCK EXPRESS '25

LIVE REPORT - RED MARQUEE 7/26 SAT

離婚伝説

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Posted on 2025.7.27 19:49

君の愛が沁みわたるレッド・マーキーの昼下がり

12:40の定刻5分前くらいに急いで向かうと、レッド・マーキーの横から入れない!慌てて後ろから入ろうとするが、なんとか屋根のエリアに行くのが精一杯で、注目度の高さを感じさせる離婚伝説。サングラスと赤いシャツが映える松田歩(Vo)とハットと柄物のシャツで渋いのが今風な感じがする別府純(Gt)に、ギター、ベース、ドラム、キーボードの6人編成のようだ。

スペーシーなサウンドと二人のハーモニーが光る“あらわれないで”に続いて、シームレスに“スパンコールの女”へと展開しライブはスタート。別府の小気味のいいカッティングギターや松田のファルセットの情感は、Yogee New WavesやSuchmosのような当時の東京インディーの一大潮流と通じるものを感じさせる。だがSuchmosは復活し、Summer Eye前夜祭本編に出演したDYGLは新たな表現を切り開いているように、結成3年目にして話題沸騰の2人も、彼らにしかない表現を持っているようだ。

軽快なバンドサウンドに優雅なピアノが絡みほんのりサザンオールスターズっぽくもあった“まるで天使さ”に続いて、jo0jiから連続の出番となった柿沼大地(Key)の情感豊かなキーボードソロが展開され、しっとりと歌い上げるラブ・バラードの“萌”。終盤の別府のギターソロには石川裕大(Gt / Mp)のもう一本のギターによるハーモニーが生まれ、土曜日午後のレッド・マーキーは優雅なムードに包まれる。

一転して軽快なリズムと手拍子に気持ちよく横揺れする“本日のおすすめ”は、ジャクソン5から連綿と受け継がれるポップネスを感じさせつつ、ドライヴ感を増した別府のギターソロが炸裂。イントロ前にまさかのシック“Good Times”のカヴァーをさらっと入れてそのまま奏でた“愛が一層メロウ”は、知らなくてもみんなで口をついて出てくるフレーズがクセになる。別府が柿沼のマイクまで移動して歌う場面も挟みながら、多分40回以上繰り返した「愛が一層メロウ」のシンガロングに、「みんな最高だったよ、ありがとう」と松田。こりゃあいい雰囲気だ。

そしてこれまた一発で覚えられる甘美なメロディをもったドラマタイアップ曲の“紫陽花”に心地よく揺られるレッド・マーキー。インディー然としたスタイルも持ちながらお茶の間にまで届く普遍的なポップスの歌心も持っているのだから、離婚伝説は奥が深い。

別府の「ジャコ・パストリアスが現代の日本人として生まれてギター持ったら」みたいな色気のあるギターソロに続いて、とろけるように揺られる“You Should Know Your Love”でフロアと掛け合う「I love you, I love you, I love you」。最後の“メルヘンを捨てないで”はもはやできるだけゆっくり揺れたいくらいみんなとろっとろです。通り雨のように突如うなりをあげるギターサウンドの中にブラック・サバスの“Iron Man”をさらっと入れたのはさすがに唸ったもので、松田が去った後の別府による超長尺のアウトロギターセクションは、踊ってばかりの国の“Boy”やサニーデイ・サービスの“セツナ”などに名を連ねる、新たな名シーンだった。

最後にバシッとロゴを出す演出はjo0jiとも共通していて、バンドサウンドに彩られた気持ちのいい歌心に触れた土曜日のお昼から午後にかけてのレッド・マーキー。それだけにこの後にあのヤハウェ・ネイルガンをブチ込むことを企てたレッド担当者はどうかしてるんじゃないかと思ったものだが、そんな未知の体験もフェスティバルの楽しみ。いい気持ちで午後を楽しんでいこう。

[写真:全8枚]

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7/26 SATRED MARQUEEXSUMI