COLDPLAY

Green Stage | 2011/07/29 23:01 UP
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ライブバンドとしての地位を証明した圧巻のステージ

 Coldplayのフジロック・フェスティバルへの出演は、アルバム『X&Y』を発表した後に出演した2005年以来となる。その間にアルバム『Viva La Vida』のタイトル曲がCM曲に使われたことで一気に知名度が上がり、アルバムもここ日本における洋楽アルバムの売上としては異例といえるほどの枚数を記録した。その後もサマーソニックへの出演や同アルバムツアーなどを経て、すっかり”日本で人気の洋楽ロックアーティスト TOP5”に入るほどの人気を獲得しているのは、皆さんも知るところだ。そんな彼らがGREEN STAGE1日目のトリを飾るとなれば、悪天候なんてものは関係なく、もちろん満員御礼。

 映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー」のテーマ曲をSEにメンバーが登場すると、大きな歓声が沸き上がり、新曲”Hurts Like Heaven”からライブはスタートした。通常、未発表の新曲が1曲目となると観客もきょとん?としてしまいそうなものだが、花火はあがるは、レーザービームが飛び交うはのド派手な演出に、まるでアンコールかのような盛り上がり。ううむ、この演出はズルイぞ! しかも間髪入れずに”Yellow”、”In My Place”と、涙腺刺激系キラーチューンをぶつけてくるものだから、こちらも宙へ掲げたその手を下げられない。

 ”Politik”や”The Scientist”などのライブ定番曲だけでなく、新曲も6、7曲ほど披露された。前作『Viva La Vida』の延長線上にあるような楽曲が多く、年内に発表されることが期待されるアルバムが早くも待ち遠しい。6月に発表されたシングル曲”Every Teardrop Is A Waterfall”も、CDで聴いたときには正直地味に思ったのだけれど、意外とライブ栄えする。また、2008年のサマーソニックではSMAPの”世界でひとつだけの花”を日本語で歌ったりと、サプライズな演出も多い彼らだが、今回は1日雨が降り続いたこの苗場で”Singin’ in the Rain”を歌うというサービスも。ううむ、奥さん美人だからって、ズルすぎるぞクリス!

 正直なところ、彼らは特別歌や演奏が上手なバンドではない。しかし、今や彼らは観ている人を楽しませるという点で完璧で、紛れもないライブバンドだ。花火、レーザー光線、紙吹雪、バルーン・・・・・・と、ベタベタな演出で何が悪い? 感動しちゃうんだから、いいじゃない。アンコールの”Fix You”のとき、雨粒がレーザービームで照らされるその様は、まるでグリーンステージに光の粒が降り注ぐかのようで、それはそれは美しかった。

 最後となるが、Coldplayを取り巻く環境が変われば、日本の状況もあの震災以降、すっかり変わってしまった。ボーカルのクリスがライブ中盤のMCで放射能の話題に触れ、「僕等にできることは、こうやって日本に来て歌うこと」と、そう言っていた。そこで歌われた新曲は、ここ最近華やかで派手な楽曲が多い彼らには珍しく、ファースト・アルバムを彷彿とさせるような、メロディが美しいシンプルなバラード。これが心に響きすぎるほど響いた。開催さえ危ぶまれた今年。まだまだ事態は収束していないとはいえ、今こうやって例年と変わらずこの地で最高の音楽を聴けていることが幸せなことに思えて仕方なかった。


写真:古川喜隆
文:本堂清佳
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