Sam Moore

Orange Court | 2011/07/29 19:30 UP
クリックすると写真が切り替わります

ミスター・ソウル・マン!

 ほとんど田んぼと化したオレンジコートは、普通の靴なら泥まみれで捨てる覚悟が必要になり、必然的に長靴を履いたお客さんばかりになっていく。雨は小雨でも、グランドの回復は見込めず、過酷な状況になっていた。

 しかし、ステージ進行は定刻通り、まずバンドが登場する。おそらくベーシストがバンド・マスター(白人でなぜか「CBGB」のTシャツを着ている)で、他にギター、ドラム、キーボード、ホーン隊4人の計8人である。ホーン隊のうち2人は日本人である。バンドが軽やかに演奏し始める。2曲目がヘンリー・マンシーニ作曲でテレビドラマのサントラで有名な”Peter Gunn”である。余裕釈々にホーン隊でソロを回していた。

 続いてコーラス嬢4人が登場。3人が白人系、1人が黒人だった。コーラス嬢がリード・ヴォーカルを取る曲があり、そして「パパッパッパー、パパパッパー」とホーン隊があのリフを吹きはじめる。来た! “Hold On, I’m Comin’”! ステージ前は沸き上がるも、まだまだだ。本人が中々登場しないのはファンキーなバンドではお約束。しかし、あまりにも出てこないので、このじらしプレイがずっと続くのかと不安になる。

 そしてようやく、演奏開始から15分を経過して、サム・ムーア御本尊が、背中を丸め、二足歩行がやっとのヨタヨタ状態で、袖からステージ中央へ。しかし、歌声は現役で、しっかり歌い上げる。それから、サム&デイヴの曲の数々を歌う。ヨタヨタの足取りでもステージを歩き回り、コール&レスポンスを要求し、元気なおじいちゃんぶりをこれでもかというほど見せつける。

 バンド・マスターによってしっかり引き締められ、ファンキーで軽快なサウンドに乗せてサム・ムーアは楽しそうだった。途中、忌野清志郎へバラード”That Lucky Old Sun”を捧げるなど、友人を想う気持ちが伝わる。

 もちろんみんなが待っていた”Soul Man”のイントロのギターが鳴ると、ステージ前は歓声と挙手で喜びを爆発させ、さらに、スライ&ザ・ファミリーストーンの”Dance to the Music”もカヴァー。いやぁ、すごい! すごい老人力だ。最後はジョー・コッカー(ビリー・プレストン他・ 作)の名バラード”You are so beautiful”をしっとり歌い上げて、ミスター・ソウル・マン、サム・ムーアはステージを後にした。


文:イケダノブユキ
写真:花房浩一
同じカテゴリの記事
最新記事

フジロック当日速報サイト
会場から最新情報をお届けします

FUJIROCK EXPRESS'11は、Nikonからの機材サポートを
受けています

ライブの模様を速報!

STAGE

インタビュー

会場から楽しいレポートをお届け

MORE FUN


フェスごはん
ピープル

#fujirockを含むツイートを表示しています

▲PAGE TOP