「ザ・クラッシュ」を知る男
LINDIGOに続いて登場したのは、DJ SCRATCHYだった。彼はあのザ・クラッシュのツアーに帯同し、レコードをスピンしていた人物だ。
当時のDJ SCRATCHYは、レゲエやダブの7インチが中心だった。その内容は、トロージャンから発売されている『Scratchy Sounds: Ska, Dub, Roots & Reggae Nuggets』で聴くことができる。現在のレパートリーのほとんどを占めるのは、ラテンやバルカンといった、他民族が入り交じる地域で生まれてきた音楽だ。こちらも、アルバム『Piranha Jubilee Vol.7: Rockin’ the Barricades』にまとめられている。
ベテランだけあって、額には年輪が刻まれ、頭髪は白く染まっているが、盟友、ジョー・ストラマーの愛したパレス・オブ・ワンダーで、スクラッチは若者顔負けの咆哮とガッツポーズを繰り出し、初日の夜をおおいに盛り上げていた。
写真:中島たくみ 文:西野太生輝