キノコホテル
キノコ中毒注意!
「アンタたち、どこにテント張ってんのよ」。
マリアンヌ東雲のドスの効いた第一声でライブは幕を開けた。一曲目から歪んだギター、うねるベース、絡みつくシンセサイザーでゴリゴリのギターロック攻勢!観客は歓喜の大騒ぎ。
骨太なサウンドで、とても女の子4人で出している音とは思えない(しかもみんなマリアンヌ、イザベル、ジュリエッタ、ファビエンヌなんてベルサイユ調の美麗な名前を持っているのに!)。
「このバンドはライブバンドだね」「このバンドはCD音源だけだな〜」なんて批評はよく聴くけれど、キノコホテルは音源もライブもどっちもいい!正確に言うと、その二者が全然違う。CD音源はサウンドもマリアンヌの独特な歌唱もより昭和歌謡のニュアンスが強いので、そういった世界観を楽しむのにいい。そしてライブでは、レトロな匂いを残しながらも、ガレージ、パンク、GS、プログレなどの要素をガンガンに打ち出した、より「ガツンとくる」パフォーマンスが楽しめるのだ。
次から次へとエッジィで乗れる曲を持ってきて、フロアのテンションは上がる一方。ふと後方に目をやると、いつのまにか入り口付近まで人がしっかり入っている。おそらくキノコホテルの名を知らずに来た人も多いだろう。そんな人たちの心まで確かな演奏力と独特の世界観という搦め手で、がっつり掴んでしまった。すごい!すごいぞキノコホテル!
メンバー紹介ではマリアンヌがメンバーをいじりつつキャッチコピーとともに高らかにメンバーの名を呼ぶ。その度に上がる観客からの歓声と指笛。「目を離したらもったいない!もっと面白いことが起きるぞ!」そう思わせる素晴らしいパフォーマンスの連続だ。
ネーミング、衣装、歌唱などの演出から「イロモノ系」と思われがちなキノコホテルだが、いやいや全く!彼女たちの音楽は真剣にかっこいいギターロックだ。その作り込んだ世界観があるからこそ、ライブパフォーマンスのギャップがより活きるのかもしれないし、そこに彼女たちの中毒性があるとも言える。次はぜひ彼女たちの姿がよく見えるホワイトステージで、やりたい放題やってキノコ中毒者を増やして欲しい。
posted on 2014.7.24 21:20
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