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7/25 FRIFIELD OF HEAVEN

Dachambo

真夏の日差しに1年振りに帰ってきた快楽的サイケデリック・サウンド

「ただいまヘブン!」

雨の前日とは打って変わって、夏の太陽の強い日差しが降り注ぐフィールド・オブ・ヘブンで、AO(Vo&Gt)は高らかに挨拶した。その一言に彼らの復活を待ちわびていた観客から暖かい拍手が送られた。2013年より1年間活動を休止していた快楽探求楽団ことサイケデリックJAMバンド・Dachambo(ダチャンボ)がフジロックに帰ってきた。毎年各地のフェスを渡り歩いてきた、フェス&パーティー常連バンドはまた一段と熟成を迎えようとしている。

青空の下、灼熱のステージに登場した彼らは挨拶もそこそこに、コズミックなウワモノにテクニカルなギターとベース、そしてBUKKA BILLY(Dr)とYAO(Dr)のツイン・ドラムのリズムが乗っていく。加速度を増したまま、そのセッションに快楽中枢を刺激するメロディを重ねていくと、集まった人々は一斉に踊り出し、歓声を上げた。これを待っていたのだ。「フジロッーク!」「ありがとう。皆さんのおかげで復活できました」とAOからも自然と感謝の気持ちがこぼれる。AOとEIJI(Ba)がステージ狭しとカウベルを叩きながらステージ前で観客をあおったり、デジタルなビートに優美なギター・フレーズを軽やかに重ねていけば、人々は“待ってました”とばかりに激しく踊リ出す。アツくなっていくグルーヴに皆が身体で応えるほど、フジロッカーズの身体にはDachamboのサウンドが染み込んでいるようだ。

「暑い!でももっと暑苦しくいきますよ」と“can not biz”へ。このころには広いフィールド・オブ・ヘブンのほとんどがパーティー好きの男女で埋め尽くされていた。そのファンキーなグルーヴと熱演を聴いていた人々からは、自然とピースサインが掲げられる。後半戦では、Omiのディジュリドゥがふくよかな低音で観客を魅了。と思えば、ディジュリドゥで作り出したビートをバンドで加速させ、曲に躍動感を与えていく様もカッコ良かった。そこにAOのワウ・カッティングが入ると、フジロッカーズはまた狂喜乱舞した。皆が笑顔で絶えず踊り続け、ピースフルな祝祭の現場が今年もそこに誕生したのだ。

それぞれメンバーのバカテクも相変わらず凄まじく、音の有機的な絡み合いも1段高いレベルにある。踊るように奏でるAOのギター・フレーズを筆頭に、煌めくようなサイケデリック・サウンドを今回もたっぷりと楽しめた。時の流れか、ギターのサウンドには、チョーキングの泣き具合なのか音作りなのか、以前よりもだいぶ渋くなった印象を受けたのは気のせいだろうか。充実した内容だったライブの終盤、AOも手応えがあったのだろう、「楽し〜」と言いながら腕で“C”の文字を形作った。今どきなかなか見ないボディ・ランゲージだ。最後の曲では会場全体で手拍子が起き、観客とのキメも完璧に揃って歴戦のバンドらしくキレイにライブをシメてみせた。そして、メンバー全員笑顔で肩を組み、集まってくれた人々に対する心からの一礼をもってフジロック復帰の幕は閉じたのであった。

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