関口シンゴ
ほっこりと心に染みわたるギターの音色
午前11時過ぎのジプシー・アヴァロンに太陽が照りつける。ステージ前方を彩るヒマワリたちが鮮やかに映える天気だ。観客はわずかな木陰に添って腰を下ろしている。時折さっと吹く山の風が心地いい。そこへ関口シンゴがバンドメンバーを引き連れて、静かにステージ上に現れた。
3月にリリースした初のソロアルバム『brilliant』の“Wings”から、ライヴが始まった。ゆるりとスタートしたステージの前に人が集まっていく。サビの部分だけ優しく歌う関口シンゴ。柔らかな空気がアヴァロンを満たしていった。テンポのよいギターポップ“Who You Gonna Hold Tonight”を聴かせたあとにメンバー紹介。「ソロとしては初フジロックなんです」と挨拶してから、今度は1人ステージに立ち、ギター1本でシンディー・ローパーの名曲“Time After Time”をカバーした。優しいギターの音色に心がほぐれる。心地よさに惹かれて、多くの人々がアヴァロンステージの前に足を止めていた。
後半には、活動休止中のオーバル時代からの盟友、mabanuaがゲストに登場した。ソロアルバムにも収録されている2人のコラボ曲“Everyday I Feel My Heart”やオーバルの曲など2曲を聴かせ、そのあとも最後まで柔らかなサウンドでほっこりさせてくれた。最後、ステージ前方へ出てきて太陽の光を浴びながら、気持ちよさそうにギターソロを弾く関口シンゴの姿が印象的だった。空の下で食べるごはんが美味しいように、空の下で聴く音楽もひときわ心地よさが増すのだな。優しい音楽が揺らしたアヴァロンのステージを見ながら、そんなことを思った。