THE NEW MASTERSOUNDS
銀河系最高のグルーヴがここにある
ボードウォークからフィールド・オブ・ヘヴンに向かう途中、ステージの方向から、かなり完成されたジャム音が聞こえてきた。「あれ?もう始まっている?」ヘヴンやオレンジに向かうときによくある現象である。ヘヴンに着くと、そうでないことに気づいて、少しほっとした。開演前のBGMに、ダフト・パンクの“Get Lucky”のジャズ・カヴァーや、レディー・ガガの“Last Dance”ジャズ・カヴァーが流れている。ザ・ニュー・マスターサウンズの待ちBGMには最高にマッチした選曲で思わずにやりとしてしまった。
ザ・ニュー・マスターサウンズ、言わずと知れた“銀河系最高のファンク・バンド”である。ミドルテンポのグルーヴが気持ちいい“Take What You Need”からスタートしたライヴは、続く“Way Out West”から徐々にグルーヴの回転が上がっていく。さらに、昨年リリースされた新作『Made For Presure』からオーセンティックな“Cigar Time”。まだ3曲しかプレイしていないが、オーディエンスの中から「楽しい!すっごい楽しい!」という声が聞こえてくる。
彼らのサウンドのポイントは、いわゆるブリブリなファンクと違い、より洗練されたジャズ寄りのファンクである。しかし、彼らが“銀河系最強の”と謳われているのは、そこに確固たるファンクのグルーヴがあるからで、オーディエンスはその要素に体が反射的に反応する。メンバーである、エディー・ロバーツ(ギター/タンバリン)、サイモン・アレン(ドラムス)、ピート・シャント(ベース)、ジョー・タットン(ハモンド・オルガン/キーボード/タンバリン)の4人は、頻繁にお互いとアイコンタクトを取りながらプレイしている。そこにはジャム的要素が存在していて、ジャム特有の先に何が起きるか分からないドキドキ感がオーディエンスを刺激している。要は“目が離せない”のだ。そんな体験が1時間半続くのだから、ファンク好きはもとより、あらゆるオーセンティック・ミュージック好きのリスナーを魅了するわけだ。ライヴが終った頃には、オーディエンスは皆揃えて満足そうな表情を浮かべていた。
【セットリスト】
Take What You Need
Way Out West
Cigar Time
Made For Pleasure
Sitting On My Knee
Burnt Back
In The Middle
Vandy
Afro Met
San Frantico
Road To Fuji Rock
Return To Gijon
All Wrapped Up (Melvin Sparks cover)
Miracles
Make Me Proud