NST & The Soul Sauce
LIVE REPORT
韓国発のルーツ・レゲエ、リコ・ロドリゲスへのトリビュートでジンときた
フェイスブックを通じて噂になっていた。昨年他界したレゲエ&スカ界の伝説、トロンボーン奏者のリコ・ロドリゲスへのトリビュート作を発表したレゲエ・バンドが韓国に存在すると。しかも、彼らがそのアルバムをカセット・テープで発表したとか。と、気になっていた彼らとUKスマッシュのジェイソン・メイオールがたまたま遭遇したことで、彼らのフジロックへの出演が決まり、ライヴを目の当たりにすることになる。
少しばかりナイヤビンギを思わせるパーカッションでステージの幕開けとなったのだが、いわゆるレゲエ・バンドではないのかなぁというのが第一印象。が、それはウォームアップだったのかもしれない。すでにその時点で会場に入りきれない人たちがいたことから、いきなりジェイソン・メイオールがステージに飛び乗って、「みんな、もっと前に詰めて。入れない人がいるんだ」と声をかける。バンドは何事かと驚いていた様子。だが、おかげでオーディエンスとの距離がぐっと縮まって、いい空気が流れ始める。彼らが本領を発揮したのはこのあたりからだろうか。
『一緒になろう』と歌っていたのかなぁ、トゥゲザネスとかトゥギャザーとかって言葉が記憶に残った曲あたりから、彼らがオーディエンスのハートをつかんでいったように思う。そして、ピークは、リコへのトリビュート曲。
「リコからは社会的な意識を持つことを学びました」
と、そんな言葉を口にした後に演奏に入るのだが、確かに曲の向こうからリコが聞こえてくる。物まねでもカバーでもなくオリジナル。でも、リコがいるのがわかる。おそらく、会場にいたリコ・ファンにもそれが伝わっていたはずだ。リスペクトです。