WHITE STAGE 7/22 FRI TAGS : LIVE REPORT 7/22 FRI WHITE STAGE

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LIVE REPORT

時代を超越したソウルミュージック

LAの新進気鋭ヒップホップ集団、オッドフューチャーのメンバーである、シド・ザ・キッド(ヴォーカル)とマット・オーシャンズ(プロデューサー/シンセサイザー)で構成されたメロウ・ソウル・ユニット、ジ・インターネット。今年1月の初単独公演を経て、満を持してのフジロック初参戦である。

西日が差し込むホワイトステージは、耳の肥えたヒップホップリスナーやソウル・ミュージックリスナーでびっしり埋め尽くされている。この状況からも、彼女たちに対する期待の高さが伺える。そこにメンバーが登場するのだが、まずはマットの、そのいでたちに驚かされた。ポケモンのピカチュウがプリントされたTシャツに、ポケモンで使われるモンスターボールがデザインされたハッピである。(どうやら、マットが今『ポケモンGO』にハマっているから、らしい) しかし、そんな予想外ないでたちのインパクトも、彼女らのプレイに速攻で払拭された。

“Dontcha”からスタートした彼女らのライヴで、まず初めに感じたのは、メロウ・R&Bのセカンドアルバム『Feel Good』と、ヒップホップ的要素をふんだんに取り入れたサードアルバム『Ego Death』が、自然な形でマージされていたこと。近代ヒップホップのビートでラッピングされたソウルミュージックに、80年代以降のネオ・ソウル的甘さ、そしてレアグルーヴ的なメロディ要素もありで、新旧のブラック・ミュージックがすべて感じられる。そんなライヴパフォーマンスになっていたのは、とても興味深かった。ラストはファーストアルバム『Purple Naked Ladies』から、スペーシー・グルーヴなソウルナンバー“The Garden”で締め。時代幅の広い彼らの音楽性に、ライヴ全編に現れていたオーディエンスとのコミュニケーションの部分も含めて、非常に温かく、濃密なライヴだった。まさに新世代ソウル・グループ、次の展開が楽しみで仕方ない。

【セットリスト】
DONTCHA
GET AWAY
UNDER CONTROL
PARTNERS IN CRIME
SOMTHING’S MISSING
LOVE SONG -1
JUST SAYIN’
FOR THE WORLD
SPECIAL AFFAIR
GONE(Snakehips cover)
GIRL
CURSE
GABBY / WHIP
THE GARDEN

Text by 若林修平 Posted on 2016.7.22 19:21