日差しが強くなった午後の苗場。フィールド・オブ・ヘブンにはたくさんの人が集まり、UAの登場を待っていた。今年の5月に約7年ぶりのニューアルバム『Japo』をリリースしたUA。久しぶりのフジロック出演に俄然、期待も高まる。

定刻になりバンドメンバーとバックコーラスの2人がステージに登場。セッションをするかのように演奏がスタートし、続いて パキッとした赤と白のストライプのワンピース衣装に身を包んだUAが現れた。歓声に包まれながら、「ラララ」と演奏に合わせて歌い出す。そして1曲目からUAの代表曲「情熱」を歌い出したため、歓声がさらに大きくなった。伸び伸びとした包容力のある歌声に厚みのあるバックバンドの演奏が素晴らしい。「ただいまヘブーン」とあいさつを挟み、“愛の進路”や新曲“AUWA”をパフォーマンス。“AUWA”ではMVでも見せていたユニークなダンスを、コーラスの女性と一緒に踊る場面もあった。観客もトライバルなリズムを細かく刻みながら、楽しそうに体を揺らしている。太陽が照りつけ、暑さを感じる天気だったが、時折吹く風が涼しくて気持ちいい。愛を込めて1曲1曲を大事に歌うUAは、まるで土着の女神のようにパワフルだ。その一方でMCではおどけたりするところが愛らしい女性だなと思う。

“愛を露に”では演奏が抑えめになり、歌声が際立ったのが美しかった。後半には“モンスター”や、ヘブンを囲む山々に捧げた“黄金の緑”を演奏。最後には「冷たいビールじゃなくて、ティーも飲んでね」と前置きして“ミルクティー”を歌い始めた。これには観客も大歓声をあげて、優しいメロディーに体をゆだねていた。どこからともなく飛んできたシャボン玉がステージに吸い込まれていく。UAの体からあふれるあたたかい愛の歌の数々に、身も心も満たされるステージだった。

セットリスト（原文のまま）
情熱
愛の進路
AUWA
KUBANUYU
2008
踊る鳥と金の雨
愛を露わに
モンスター
黄金の緑
ドチラニシテモ
ミルクティー