WHITE STAGE 7/23 SAT TAGS : LIVE REPORT 7/23 SAT WHITE STAGE

VANT

LIVE REPORT

日本初公演は大成功!

実は今回観るアーティストの中でもっとも楽しみにしていたバンドのひとつが、フロントマンのマッティー・ヴァント(ルックスが少しだけワン・ダイレクションのハリー・スタイルズに似ている気がする)率いるイギリスのロックバンドのヴァントだ。先月のグラストにも出演し、確実にキャリアを積み上げていっている。初来日にして、2日目のホワイトステージの2番手を務めることになった。

開演前にスプリング・キングの”Who Are You?”といったバンドメンバーのオススメと思われるかっこいいインディー・ロックチューンが流れ、集まったオーディエンスの期待度を上げていく。開演時刻にバンドメンバーが颯爽と登場し、一斉に音を出力する。マッティーはアンプ前でギターをハウリングさせてノイズを撒き散らす。”The Answer”でステージの火蓋が切って落とされた。ロックンロールマナーよろしく刻まれるリフに続けて叫ばれるシンプルなサビが何ともかっこいい。続き、ミドルテンポなベースが心地よい”Put Down Your Gun”へとなだれ込む。髪を振り乱しギターをかき鳴らすマッティー、低く腰に構えバキバキとベースを打ち鳴らすビリー・モリス。ステージアクションも文句なしにかっこいい。

マッティーがギターをウィルコ(・ジョンソン)よろしくギターのフレットをフロアに向け音の弾丸を飛ばしはじまった”Berners Lee”。黒た黄色のチェックのネルシャツが肩から落ちても気にせずギターを弾き倒す様がカート・コバーンのように映った。「初めて日本に来たんだ。来てくれてありがとな!」とマッティー。突っ走る疾走感がたまらない”Birth Certificate”では、マッティーがステージ上を縦横無尽に行き来し、クラウドを盛り上げる。スラッカー感漂うキャッチーな”I Don’t Believe In God”になだれ込む。マイクスタンドを思いっきり下げて、ひざを着いてギターをかきならしながら叫ぶのだ。

ステージからフロアを見下ろし「こりゃ最も美しい光景だ!山々とお前らがいるからな!」と”Headed For The Sun”を披露した。サビの力強くも哀愁のあるメロディにに思わず目頭が熱くなる。「オーライ!フジ!ダンスの時間だぜ!!」と疾走するパンクチューン”PARASITE”を投下!オーディエンスが腕を振り上げ、ジャンプし応戦する。

「残りの4曲はみんなが知ってるやつやるぜ!うーん、多分な(笑)」とグランジーでヘヴィなずっしり腹にきく”Karma Seeker”を披露。少し(特にフレーズの締め辺り)ニルヴァーナの”Heart Shaped Box”のニュアンスを感じる曲だ。”Parking Lot”とノリやすい曲が続く。バンドに促されグラウドが一斉にジャンプして砂埃が舞いまくる。フロアで転げまわりギターをかき鳴らすマッティーに大歓声が上がる。「日本人はおとなしいて聞いてたけどそんなことねぇな。でかいエナジーを感じるよ。残り2曲もキープしろよ!」と”Fly-By-Alien”とキャッチーなパンクチューンで盛り上げまくる。間奏部で「残り30秒でお前らにチャンスやるから、好きにワイルドになってくれよ!」と煽り、繰り出されたロックンロール・セッションに、オーディエンスそれぞれが感じたままにダンスし、身体を揺らし楽しんだ。

マッティーは初来日にして初ライヴで良い感触を得たようで「人生で最高のライヴだ!ありがとう!ピース&ラヴ!!」とご満悦に”DO YOU KNOW ME?”でギターを宙に投げエナジー満開で日本での初公演を締めくくった。この手のガツンと来るロックをホワイトで聴けるのはほんと嬉しい。マッティーがフジロックの期間中いるので、見つけたら「ハイ!」してくれと言っていた。挨拶どころかハグしてあげようじゃないか!

セットリスト(原文のまま)
The Answer
Put Down Your Gun
Berners Lee
Lampoon
Birth Certifica
I Don’t Believe In God
Headed For The Sun
PARASITE
Time & Money
Karma Seeker
Parking Lot
Fly-By-Alien
DO YOU KNOW ME?

Text by 三浦孝文 Posted on 2016.7.23 14:29