RED MARQUEE 7/24 SUN TAGS : LIVE REPORT 7/24 SUN RED MARQUEE

DMA’S

LIVE REPORT

豪州のロックシーンを独走するバンドがフジ来襲!

DMA’S。彼らはどんな方向へ向かうんだろう?日本独自EP『DMA’S』から聞こえてきたのは、UKロックが持つスケール感とサウンドスケープに、USオルタナのラウドさ、USインディポップのセンチメンタリズム…など。それは、いかにも2000年代以降のロックバンドな形ではあるけれど、彼らにはその「型にハマらねば」という力みが全く感じられない。その辺が、これまでのいわゆる”フォロワー”とは違うのかなと感じた。それが彼らに対する、ファースト・インプレッションだった。そして、満を持して今年春にデビューアルバム『Hill’s End』をリリースし、フジロック初参戦。「さぁ、お手並み拝見!」といった面持ちのレッド・マーキーのお客さんを目の前に、ついにお披露目だ。

バンドの編成は正規メンバー、トミー・オーデル (ヴォーカル/ジングル・スティック)、ジョニー・トゥック (ギター)、マット・メイソン (アコースティックギター/ヴォーカル)の3人に加えて、サポート3人の6人編成。フロントマンでありヴォーカルのトミーはジングル・スティックを片手に仁王立ち(リアム!)。ライヴは、デビューアルバムの1曲めでもある“Timeless”の歪んだギターのフレーズからスタートした。まず、驚かされたのは、演奏がもの凄くしっかりしているということ。いい意味で”ラフな”部分がなく、アンサンブルも意外に洗練されていて素晴らしい。続いて、同じくデビューアルバムから“Too Soon”。レコーディングされた音源より、少しピッチを落として、地面を押し付けるような重いグルーヴを表現している。中盤には彼らの代表曲である“Lay Down”、“Delete”も投下し、いよいよクライマックスへ向かっていく。甘酸っぱい香りのするミドルテンポチューン“Your Low”、洗練されたノイズにラウドなサウンドが印象的な“Laced”、ラストを飾ったのは壮大なサイケデリック・ロック・ナンバー“Play It Out”。

“ブリット・ポップの再来”や“ポスト・オアシス”謳われ方をされている彼らだが、オアシスの表面的な部分をただなぞるのではなく、自分たち自身が通って来た音楽経験も合わせた上で、ビッグでラウドなロックナンバーを歌う。そんな気概が感じられた約50分だった。ライヴ経験を積みながら、確実にビルドアップしてきているのは事実。あとは、次の手(セカンドアルバム以降)をどう打つか。ネクストレベルへ上る彼らを、僕は是非見たい。

【セットリスト(ライターメモ)】
Timeless
Too Soon
Feels Like 37
In The Moment
Melbourne
Lay Down
Delete
Your Low
Laced
Play It Out

Text by 若林修平 Posted on 2016.7.24 13:56