JACK GARRATT
多才な鬼才に乾杯!
最終日のレッド・マーキーの6組目。ジャック・ギャラット。91年生まれの若き星。14年に1stEPをリリース、16年にはBBC SOUND OF 2016でNo.1に選ばれた男だ。その男のレッド・マーキーで何を起こしたのか。その話を書いていこう。
まずレッド・マーキーについた時点でかなり人が集まっていた。ここまで開始前に人を集められる初来日のアーティストなかなかいない。期待の高さが伺える。ステージには左手側にシンセサイザー類、中央はドラムパットで右手側を囲むようにタムやシンバルが配置されていた。
登場して早速プレイ。1曲目は”Coalesce”だ。彼のスタイルはドラム、シンセサイザー、ギター、そしてボーカル。以上の役割を一人でこなすのだ。もちろんシーケンサー、サンプラー、ルーパー(具体的な機材名はわかりません)などを使っていると思うが、基本的にはその場で生成された音を使っていると思われる。レッド・マーキーにこれだけ観客が詰めている様子からしてジャックのスタイルを知っている人は多いのだろう。しかしライブを生で見たことがある人は少ないと思われる。とにかく最初からシンセサイザーとドラムを駆使しながら歌い終えた彼に贈られた拍手や歓声は相当大きいものだった。この後も何度も歓声が上がるのだが、タイミングは基本的に彼が素晴らしいプレイした時なのだ。それが曲中だろうと拍手、歓声が上がっていた。ポイントはドラムのフレージングの手数が爆発したり、ブレイクの決まり方だったり、ギターソロだったりと様々だ。だが恐ろしいことにライブが進んでいくごとにその歓声が大きくなっていく。この男、飽きさせないのだ。観客はレッド・マーキーに次から次へと客が押し寄せてくる。後ろの方もは見えなくなってしまったので視覚的には見えないが客が入ってないはずがない。なぜなら歓声の大きさが尋常じゃないからだ。
しかしジャックの凄さには驚かされる。マルチプレイヤーなのだが各パートがかなりのレベルに達しているのは脱帽だ。シンガーとしてはブルージーな歪み、シャウト、ファルセット、どれも使いこなす表現能力がある。ドラマーとしてはパワーヒッタータイプで力強いドラミングができる。またそれが踊れるサウンドに拍車をかける。ギターに関しては、ジョン・メイヤーやスティービー・レイ・ボーンといったギタリストからの影響を受けていそうなサウンドだった。こうライブでみると、音源よりもライブでみたいタイプのアーティストで音源との印象の差はかなり大きく感じた。実際はかなり踊れるというべきかダンスミュージックの要素が強かったライブだった。
最後はジャックの代表曲といえる”Worry”だ。この曲が始まりだした時点で巨大な歓声が上がり、レッド・マーキーの興奮は最高潮に達した。素晴らしいプレイを見せてもらえた。ライブが終わると拍手と歓声がなかなか途切れなかった。個人的に今年見た中でのベストアクトだった。
セットリスト(原文のまま)
COALESCE
BREATHE LIFE
WEATHERED
FAR CRY
7 SENORITAS
THE LOVE YOU’RE GIVEN
FIRE
SURPRISE YOURSELF
WORRY