dCprG
「今日がこの編成の最後のライヴになります」
fox capture planがさわやかなライヴをして去っていったあと、日差しはジリジリと肌を焼いてくる。
運営の人が水を撒いてくれたけど、すぐ乾いてしまう。そんなフジロック3日目の昼。dCprGが登場する。デートコース・ペンタゴン・ロイヤル・ガーデン時代も含めれば、何度もフジロックにでたことあるので、心得たお客さんたちが続々と集まってくる。さらに、ギタリストの大村孝佳がこのあとホワイトステージに登場するBABY METALをサポートする神バンドのメンバーであるので、黒いTシャツを着た人たちもチラホラいる。
サウンドチェックから、「モニター大丈夫?」とコンダクターの菊地成孔が声をかけ、そのまま本編が始まった。何度も「おはようございます」を繰り返し、「眠くてしょうがない」とボヤいてから、「今日がこの編成の最後になります」との唐突なひとこと。ベースのアリガスとドラムの田中教順が引退するということだ。そのどよめきから、まずは「RONALD REAGAN」で始まる。
メンバーはステージ下手から、サックスの津上研太、サックスの高井汐人、キーボードの小田朋美、トランペットの類家心平、ドラムスの千住宗臣、パーカッションの大儀見元、ステージ中央扇の要の位置にベースのアリガス、ドラムスの田中、キーボードの坪口昌恭、ギターの大村という編成だった。
2台のドラムセットとパーカッションによる複雑なリズムといろんなリード楽器が絡み合う彼らの音に合わせて体を揺らす人が多い。大村がヘヴィメタルぽいギターソロを決めると主に黒いTシャツの人たちから歓声が上がる。
音楽に合わせて体を揺らすポイントをそれぞれ好きなところに設定してよいポリリズムと各メンバーに焦点が当たり、それぞれの技が堪能できるソロ、そしてこの暑さなのに黒いジャケットを着ている菊地の独特な動きによる指揮っぷりを短い時間の中だけど充分に堪能できた。
最後に「Cirale/Line〜Hard Core Peace」。イントロから歓声が上がり、お客さんたちの気持ちも高揚してくる。後半のホーン隊が高らかに鳴り響くダンスパートになると多くの人たちの動きが激しくなった。小田と坪口がカシオトーンみたいなキーボードにストラップつけてショルダーキーボードみたいにして2人でキーボードソロバトルも面白かった。そしてバンドが一体感を持ちすさまじい迫力で頂点に達し、ライヴは終わった。そこには引退する2人への感傷はなく、あくまでもdCprGとしての演奏に徹したのだった。そして菊地は引退する2人のために拍手を促し、「なるべく早くフットワークのいい若者を入れてツアーにでるから」と約束しステージを去っていった。
セットリスト(原文のまま)
ロナルドレーガン
プレイメイト アット ハノイ
fka
Circle line
ハードコアピース