LEON BRIDGES
この歌声は現代の宝物
日が陰って過ごしやすい気温になってきた夕刻のフィールドオブヘブン。ヘブン全体に集まってきた観客の人数が、これから登場するソウルシンガー、リオン・ブリッジスへの注目度の高さを物語っている。去年「サム・クックの再来」と騒がれ、一躍世界が注目するアーティストとなったリオン。デビューアルバム『 Coming Home』も好評で、古き良きソウルを現代に甦らせる気鋭として話題をさらった。そんなリオンがフジロックでパフォーマンスするのがヘブンだなんて、ぴったりすぎるじゃないか。
ドラム、ベース、キーボード、バックシンガー、ギター、サックスで構成されるバックバンドがステージに入ってきて、すぐ演奏がスタートした。そこへラフなシャツとネイビーブルーのスラックスにサングラスという出で立ちでリオンが登場した。そのまま1曲目に “Smooth Sailin’”を歌い出す。明るいサザンソウルに、ヘブンのテンションがぐっと上がった。観客は、ジェントルなリオンの歌声に聴き入りつつ、気持ち良さそうに体を揺らしている。まったりスローテンポな“Pull Away”を歌うと「コンニチハ、エヴリバディ!」とあいさつ。南部なまりで歌うようにしゃべるのが印象的だった。“Better Man” から続けて歌った“Brown Skin Girl”では陽気なリズムに体が反応し、自然と手拍子が上がる。
最愛の母に捧げた“Lisa Sawyer”、地元テキサスのことを歌った“Golden Room”、“Hold On”と、どの曲もグルーヴ感が最高に気持ちいい。“Twistin’&Groovin’”ではリオンがエネルギッシュなダンスを披露。観客もツイストダンスを踊り、手を叩き、最大の盛り上がりを見せていた。ジェニュワインの“Pony”のカバーというのも選曲がたまらない。“Mississippi Kisses”では後半のサックスのソロに会場中が沸いて大盛況!そして最後にはギターを持ったリオンとバックシンガーの女性、オルガン奏者のみがステージに残り、しっとりと“ River”を演奏した。トンボたちが舞うヘブンの上空にリオンのソウルフルな歌声が響き渡った。
魂のこもったパフォーマンスで、50s、60sのソウルをたっぷり感じさせてくれたリオン。何と言ってもあの歌声だ。たった一声発しただけで時代を超越してしまうような魅力がある。リオンの歌声に包まれたヘブンでの1時間は、 アメリカ南部のあたたかさが伝わってくるような素晴らしいひと時だった。
セットリスト(原文のまま)
SMOOTH SAILIN’
OUT OF LINE
PULL AWAY
BETTER MAN
BROWN SKIN GIRL
LISA SAWYER
TEXAS SUN
HOLD ON
FLOWERS
TWISTIN AND GROOVIN
COMING HOME
PONY
PUSSY FOOTIN’
MISSISSIPPI KISSES
RIVER