RED MARQUEE 7/22 FRI TAGS : LIVE REPORT 7/22 FRI RED MARQUEE

The Birthday

LIVE REPORT

今日は前を向く

 7月22日、フジロック1日目レッドマーキー。深夜におこなわるステージを除けば、The Birthdayがトリを務めたことになる。熱烈なアンコールに応えて登場したチバユウスケは「今日から3日間くらいは嫌なこと忘れてもいいんだわ。それはそれで感じなきゃいけないんだけど……でも、今はいいじゃんか」と語り、「涙がこぼれそう」を演奏した。万感の思いを受け止めるステージとフロアが一体感を作りだし、サビは大合唱。ほとんどカラオケ状態のときもあった。

 20時、ほぼ定刻通りにクレスツの「シックスティーン・キャンドルズ」が流れてメンバーが現れる。チバはひとこと「ハロー!」と挨拶。そして「LOVE GOD HAND」で始まった。チバ(Vocal & Guitar) 、フジイケンジ(Guitar)、ヒライハルキ(Bass)、クハラカズユキ(Drums)の4人の男たちが放つロックンロールにお客さんたちの期待も高く、始まったころにはレッドマーキーは満員に近かった。

 熟成されたサウンドは激しく、鋭く、重くて大勢のお客さんたちの期待を裏切らないベテランバンドの風格をこれでもかというくらい見せつけた。続いて「FULLBODYのBLOOD」。不穏でうねっていくベースに乗ったチバの歌がフロアを揺らす。モーターヘッドぽいリフを持つ「I KNOW」、「MOTHER」は「オーオオ、オーオオ、オーオオオーオー」と何度も合唱させそれに応える人たち。今回は、今のところで新しいアルバム『BLOOD AND LOVE CIRCUS』からの曲が多く「LOVE SHOT」「Shan Shan」と続く。「Shan Shan」のスピード感と狂ってる感じが素晴らしい。

 チバはフォトピットに降りたり、「元気そうで何より」とつぶやいたり、ヒライの「20周年だから始まった年に生まれた人もいるよね」と言葉に「そういう人もいるよね」と答えたりと、昔のチバを知る者にとっては、ここまでオープンになったのかというくらいにこやかで機嫌がよさそうではあった。「カレンダーガール」では大勢の人たちが手拍子で反応し、「なぜか今日は」で歓喜させ、「くそったれの世界」で歓喜の輪を大きくさせのっけから大合唱。そして「声」で本編を締めくくった。

 この日に関してチバは何かを語るのでは? と思う向きもあったけど直接的に語ることはなかった。おそらくそれがバンドの矜持であり、未来を向いている証なんだと思う。

セットリスト(原文のまま)

1. LOVE GOD HAND
2. FULLBODYのBLOOD
3. I KNOW
4. MOTHER
5. LOVE SHOT
6. Shan Shan
7. カレンダーガール
8. なぜか今日は
9. くそったれの世界
10. 声

Text by イケダノブユキ Posted on 2016.7.24 22:35