MOREFUNAREA REPORT8/20 FRI
私が見たフジロック(Day 1)from スタッフM
過去と現在と未来 明るく緩やかな繋がりを発見した初日
約2年ぶりのフジロック。コロナ禍という驚異に直面し、感染防止のための新たな制約や制限を設け、感染者を絶対に出さない!そしてフジロックを続けていく!という主催者の強い想いと覚悟の基、開催された。
私が住んでいる大阪や、京都、兵庫在住の関西のフジロッカー仲間も今回は参加を断念する選択をした人も多い。いつも通りに参加を選択した人も多い。私は参加を選択した。フジロックは2017年から両親と弟、妻の家族全員で参加する大切な家族行事になっている。これは私がはじめたことだし、昨年延期になって残念がっている両親の姿を見た時に開催されるのであれば参加と最初から決めていた。両親は齢70手前ということもあり、互いの距離をどれくらい取るかや、食事中は会話をしないなど、家族内でのルールを定めて対応できる限りの細心の対策をとった上での参加だ。
そんなところから参加している私だが、初日のライヴの足取りをお伝えしつつ、今年ならではの感想を中心にお伝えしていきたい。
まず、最初に観たアーティストはピラミッド・ガーデンでのRickie-G。苗場の山々に囲まれ、快晴の空の下で堪能する歌声、音楽愛あふれるパワフルなメッセージと奏でられる音楽、それはそれは最高としか言いようがなかった。
その後向かったのが、ドラゴンドラに乗って向かったデイ・ドリーミング。これまで何年もフジロックに参加してきたが、唯一行っていないエリアがここ。昨年秋のボードウォークキャンプで初めてドラゴンドラに乗って山頂に行ったことや( http://fujirockers.org/?p=16225 )、友人の写真家のみやちとーる氏から激オシされていたエリアということもあって、午前中から早々に向かった。
晴天のドラゴンドラから一望する一面の緑が拡がる絶景はやはり素晴らしく、家族も大絶賛。山頂では、広がる高原を歩いたり、レストランアルムとステージ前方を自由に行き来しながらDJ TASAKAやDJ Yorgurtが繰り出すビートを味わった。11年ぶりのライヴだったというスケボーキングには楽しませてもらった。ケミカル・ブラザーズの”Galvanaize”のサンプルや懐かしの”TOKIO LV”では心の中で「just get on the bus, get on the bus」と連呼させてもらった。Tシャツは売っちゃいけないと言われたとのことで先着15枚ということでステージから外に出て来て配りはじめるというサービスっぷり。MCで示していたが「屋外だから大丈夫!」という彼らなりの意思に基づく行動だ。
ここで先述のみやちとーる氏とばったり遭遇したが、ドラゴンドラから降りてすぐのところがほぼ何もないということを聞かされた。本来は、アコースティック中心の音楽も繰り広げられ、愉快な動物たちがいて(数匹見かけたが)、大縄跳びをしたり、大人も子供も仲間たちと触れ合い楽しむ夢のような空間とのことだ。今年はフジロックを次に繋いでいくための、感染対策が優先の場だ。その夢の空間を堪能しにまた戻ってくることを誓って戻りのドラゴンドラに乗り込んだ。
山麓駅に戻って来たら、THE BAWDIESのゴキゲンなロックンロールが響いてきたのでレッドマーキーに向かった。高校3年の時からバンドメンバーと一緒にフジロックにお客として参加していて、その後ルーキーステージ、グリーンステージ、レッドマーキーとバンドの成長とともにフジロックがある、感謝の想いが爆発していた。「フジロックで音楽を好きになった人たちがどれだけいると思ってんですか!?深くフジロックを愛して繋いでいきましょう!」とROY。暑苦しいまでのフジロック愛だ。そしてその気持ちはものすごくよく分かる。
夜は特別編成のMETAFIVE(砂原良徳×LEO今井)の良音に酔いしれ(さすがは音響一番のホワイトステージ!)、ラストはVaundyの力強い未来への可能性いっぱいの表現を浴び、爽快な感動とともに締めくくらせてもらった。
過去があって、今があり、先の未来がある。フジロックは、苗場のこの唯一無二の空間はこれまで関わってきたすべての人たち、そしてたった今、ここいる人たち、ここにはいないがそれぞれのところからフジロックを愛し、サポートし続けている人たちとともに創られてきたのだ。ついつい高まって大声を上げてしまったオーディエンスへの愛からの注意などを含め、お互いをリスペクトし思いやる姿勢は至るところで感じられた。残り二日間の無事の完了を願うばかりである。
[写真:全1枚]