HEY-SMITH

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7/31 11:23  Twitterに投稿する


 現在、物凄い右肩上がりの成長曲線を描いている関西発のパンク・バンド5人組HEY-SMITHがルーキー2番目のバトンを受け取り、元気いっぱいのステージを披露。深夜という時間帯を吹き飛ばす嵐が、このステージには吹いていた。

 いわゆるメロディック・パンクと呼べそうな疾走感とキャッチーなメロディを武器にして全力疾走するのが彼等の肝。昂揚感あふれるツインヴォーカル、そしてスカに通ずるサックスやトランペットが鮮やかな切れ込みを入れ、他のメロディック・パンクとは一線を画す個性で人気を博している。本日のステージもそんな彼等の特徴を存分に発揮して、ファンをモッシュの喧騒へと導いていた。初っ端にはメタル的な重厚感を伴った疾走曲を繰り出し、それからは陽性のヴァイヴに満ちたメロディック・パンクナンバーを連発。演奏する曲がどれも盛り上がってくださいといわんばかりで、度の曲でも美メロを鳴らして突っ走る感じがいい。ツインヴォーカルの掛け合いやサックス、トランペットの音色が暴れるスイッチを入れ、メンバーとお客さんがガチンコで勝負している雰囲気があったのも面白く感じられた。

 盛り上がるために必要な昂揚感、熱気、混沌・・・。彼等のライヴにはそれが完璧なまでに存在しており、とにかくライヴが楽しいと思えるのが人気の秘訣だろう。集まったお客さんの人数もルーキーにしては結構多めだと思ったけど、あそこまで一体となって盛り上がっていたのには正直驚いた。メンバー自身にもまた客席からも笑顔が咲き乱れていたのを見ると、こちらも微笑ましいし楽しい気分になってしまっていた。まさに彼等がMCで語っていた「フリーダム」がこのステージと客席にはあった。

 30分という短い時間を全力で駆け抜けたHEY-SMITH。自分たちの曲同様にこのまま夢に向かって疾走していってもらいたい。そして今後、彼等を新しく見るお客さんと一緒に喧騒を巻き起こし、これからどんどんと大きな輪へとつなげていって欲しいものだ。


写真:中島たくみ
文:伊藤卓也