「これがワッツーシゾンビやぁー!!」
がなり声と共に“Watasizombie”が始まる。今年は苗場食堂にワッツーシゾンビ出演、と聞いて苗食壊れるかも、と少し心配になった。6年前のルーキーステージに出た時の勢いはそのまま、いやむしろパワーアップしたバンドが帰ってきた上に、ステージ上からは「この食堂をぶっ壊してしまえー!」と確信犯的な声がするのだから危険極まりない。すでに2曲目の“DOしてる?”の時点でダイブする人が出現(その後彼は全裸になってダイブし続けてました)。
勢いのあるロックサウンドにのせるのは関西色を完全に武器にしたイントネーションのメロディと、「おにぎり!にぎりめし!」とか「ごはん!ごはん!ごはん!ごはん!」「人間やってます!」だとか、なんじゃそりゃ!と突っ込まざるを得ない歌詞だ。なんじゃそりゃ、と心の中で突っ込んだ時点ですでにあなたはゾンビちゃん。奈良をなめてはいけません。
「俺らが暮らしていたテントは昨日の雨ですっかり崩壊してしまいました!」もう失うものはない、全力で行くぞー!とばかりに間髪入れずに続く前のめりの曲曲曲。もう何が一番盛り上がった、と言えないくらい全曲勢いに乗りまくっている。オーディエンスはドロドロの地面お構いなしでダイブ!しまいにはドラムの山本が頭にビールをぶっかけてダイブ!そんな光景をゲラゲラ笑って楽しめるのがワッツーシゾンビの魅力だろう。演奏が終わったときに、やりっきったー!という笑顔がたくさん溢れていたのが何よりの証拠だ。
写真:横山正人
文:名塚麻貴