BIFFY CLYRO
スタジアム・ロックのその先へ
海外ではフェスのヘッドライナーを飾るほどに成長した彼らビッフィ・クライロ。前回2014年のフジロック出演時はホワイトステージのトリ前出演だったが、そのときから空間の支配力は非常に強かった。あれから2年経ち、満を持してのグリーンステージ登場。さらに今回は、先日7月8日にリリースされたばかりの7枚目のアルバム『Ellipsis』を引っさげての参戦ということもあり、注目度は非常に高い。新作は、これまでのひたすら拡大・拡散し続けるスタジアム・ロック・サウンドから一旦離れ、違うベクトルからの音作りにチャレンジした意欲作だ。このアルバムからの曲を、これまでの数々のアンセムにどう織り交ぜるのかが、今回のライヴの注目ポイントである。
正午を過ぎた苗場の空の下、ドラマティックなピアノ伴奏による聖歌隊のコーラスが鳴り響く中、上半身裸(いつも通り!)の、サイモン・ニール(Vo./Gt.)、ジェームズ・ジョンストン(Ba.)、ベン・ジョンストン(Dr.)の三人がステージに登場した。ここに、ギターとキーボードのサポートメンバー2人を加えての5人編成勢揃いとなり、開演!
しょっぱなは新作から“Wolves of Winter”。これまでのビッグなサウンドにソリッドさがアドオンされたこの曲を皮切りに“Living Is a Problem Because Everything Dies”からのBiblical”と、一気にスタートダッシュをかける!新作で新境地を開いた彼らの変化は、このあとの流れの中に表れる。これまでも「静」と「動」というひとつの相反要素はあったが、新作以降ここに異なる相反要素「拡散」と「ソリッドさ」が加わっている。これまでは、ひたすら拡大・拡散していく彼らのサウンドが彼らの代名詞だったわけだが、ここに「ソリッド」さが加わることで今までとは違う抑揚が生まれる、というわけだ。それを象徴するのが、中盤にかけての、”Bubbles”と“In The Name Of The Wee Man”、ラストまでの流れ“Animal Style”と“Many Of Horror”。この新たな抑揚によって、心の底から今まで以上のパッションが湧き上がってくるようだ。そして、“The Captain”、“Mountains”とストレートに響く最高の王道ビッフィサウンドを鳴らし、ラストは“Many Of Horror”からの“Stingin’ Belle”で大団円!最後にサイモンが「We are Biffy F○ckin Clyro!」と叫び、彼らは最高の余韻を残し去っていった。「次はグリーンステージ遅い時間に見たい!絶対映えるでしょう!」そんな風に心から思えた圧巻のステージだった。
【セットリスト】
WOLVES OF WINTER
LIVING IS A PROBLEM BECAUSE EVERYTHING DIES
BIBLICAL
FRIENDS & ENEMIES
BLACK CHANDELIER
BUBBLES
IN THE NAME OF THE WEE MAN
MEDICINE
THE CAPTAIN
MOUNTAINS
9/15THS
ANIMAL STYLE
MANY OF HORROR
STINGIN’ BELLE