GREEN STAGE 7/22 FRI TAGS : LIVE REPORT 7/22 FRI GREEN STAGE

BOREDOMS

LIVE REPORT

フジロックの幕開けを飾る祈祷

 いよいよ始まったフジロック。初日グリーンステージへ最初に登場するのはボアダムスだ。

 日差しはあるけど、少し寒さを感じる苗場、お客さんたちはグリーンステージに集まっていく。それに伴って気温も徐々に上がっていく感じだ。フジロックではおなじみの忌野清志郎の声による「田舎へ行こう」が流れて、グリーンステージのMCであるスマイリー原島とポーキーがでてきて、20週年の話題や、ポケモンGOのタイムリーな話題を交えつつ、ボアダムスを呼び込む。

 まずEYEが工事現場にある鉄の杭のようなものを金属のスティックでこすり、シャラシャラした音をだす。続いて、YOSHIMIOとYO2ROもあらわれて同じようにスティックでこすったり叩いたりしている。ステージ下手にはオペレーター2人いて、パソコンなどを操作しているようだ。そして、EYEがステージ奥にとどまり、エレクトリックなノイズを放出し、雄叫びを上げる。YOSHIMIとYO2ROもドラムセットの前に座りドラムをたたくのだけど、YOSHIMIは、脇のカオスパッドみたいな電子ドラムのような楽器に触ったり叩いたりして音を出している。反対側にキーボードがあってそれも弾くときがある。

 20分くらい経つとリズムが加速していき、ステージ前のモッシュピットを埋めた人たちから歓声が上がる。雲が多いけど青空と日差し、緑の山々に囲まれたグリーンステージで古代儀式による祈祷がおこなわれているようだった。中盤にちょっと天気雨が降ったりもする。そうした気象の変化も彼らの世界の中に取り込まれている感じだ。ステージ両脇に設置された縦型のスクリーンに映された映像には、ステージ下手のオペレーターのひとりの脇にスピーカーが2台あり、そのコーンが上を向いていて、そこにフォークやチェーンや灰皿などの金属のジャンクなものが入っているのがみえる。その金属のジャンクたちがスピーカーの振動によってジャラジャラと音を立てていた。それもまたボアダムスの音楽の中に取り込まれているのだった。

 それは世界のいろんなものがボアダムスの音楽なのだ。集まった人たちはフジロックの野外の場で演奏をおこなう必然性を体感する。

 ドラムによるリズムだったり、鉄の杭をこすった音をだしたりと緩急をつけ、クライマックスにはゆったりとした地面を揺るがすような重いリズムが鳴り響き、まさにフジロック20周年のオープニングをかざる1時間の祈祷がおこなわれたのだった。最後にEYEがまた杭をこすって去っていったのだった。

セットリスト(原文のまま)
super are
super going
super are you
seadrum
house of sun
livwe!!
super coming
super go

Text by イケダノブユキ Posted on 2016.7.22 11:58