WHITE STAGE 7/23 SAT TAGS : LIVE REPORT 7/23 SAT WHITE STAGE

SQUAREPUSHER

LIVE REPORT

必殺!問答無用の狂気的ドリルンベース!

2日目ホワイトステージのトリ。登場したのはエレクトロミュージック界の鬼才スクエアプッシャーだ。90年代からドリルンベースと呼ばれるような独自のサウンドを追求し続け、今や孤高の存在となりつつあるスクエアプッシャーことトム・ジェンキンソン。昨年出した新作『Damogen Furies』では、すべてワンテイク&無編集でレコーディングするという驚異の試みに挑戦し、その鬼才っぷりを改めて知らしめたばかりだ。気温が下がり、時折強い風の吹くホワイトステージにどんな音世界を繰り広げてくれるのか。

定刻近くになり、ステージの上方に設置された4枚のスクリーンにライトがつくと大きな歓声が上がった。ホワイトは超満員である。続いてステージに現れたトムは、全身をフェンシングの競技服のような白いボディスーツにマスクを被っていて顔すら見えない。自らプロジェクションマッピングの一部となるための衣装だが、そこからしてすでに人の域を超えているかのようだった。そしてのっけから美メロとともに猛烈なキックをドロップし、ライヴがスタートした。凄まじい音圧の高速ブレイクビーツ。変則しまくりの攻撃的なサウンドがホワイトの観客に襲いかかり、脳みそをぶっ飛ばした。細かく刻みまくるドリルンベースが狂気的すぎて、観客はもはや直立不動でステージを見つめるしかない人たちと無心に踊る人たちとに大きく分かれていた。曲間にはあちこちから「頭おかしい」とつぶやく声が聞こえてくる。

『Ultravisitor』の“Venus No17”“Steinbolt”から、『Damogen Furies』の“Baltang Arg”“Exjav Nives”まで新旧織り交ぜて怒涛のプレイを展開したトム。時に音を止めては手振りで観客をあおったり、拍手に両手をあげて応えたりするほかは、容赦ない轟音とそれにシンクロする映像群で観客を圧倒し続けた。ラストには一旦下がって衣装を脱ぐと、ベースギターを構えて“Hello Meow”“Tetra Sync”を演奏し出した。あのレッド・ホット・チリ・ペッパーズのベーシスト、フリーが絶賛する超絶テクニックで、これまでとはまた異なる美しい音世界へと誘ってくれた。最後に観客にお辞儀をして、大歓声のなか圧巻のパフォーマンスが終了した。

とにかく狂気的で、かつ独自の美意識によって築き上げられたパフォーマンスだった。これほどまで観客が満場一致で「この人は頭がおかしい」と感じたステージもなかなか無いだろう。もちろんそれは悪い意味なんかでは決してなく、それだけスクエアプッシャーが常人には到達できない世界まではるかに突き抜けているということだ。ド迫力の音圧、怒涛の勢いで繰り出される殺人的ドリルンベース、音楽と完全にマッチしたプロジェクションマッピングのVJ。これまで体現したことのない世界へぶっ飛ばされたホワイトステージ。私たちはこの夜、新たな伝説を目撃したのかもしれない。

セットリスト(原文のまま)
STORY GLAS
RAYC FIRE 2
KONTEN JAZZ
EXJAG NIVES
BALTANG ARG
KWANG BASS
VENUS No.17
ARTERIAL FANTASY
MODERN BASS GUITAR
STEINBOLT
HELLO MEOW
TETRA SYNC

Text by Paula Posted on 2016.7.24 22:37