ROOKIE A GO-GO 7/22 FRI TAGS : LIVE REPORT 7/22 FRI ROOKIE A GO-GO

yahyel

Photo by 粂井健太

LIVE REPORT

ボーダーレスの異星人達が解き放つ、圧巻のサウンド!

全くの無名にも関わらず、2016年1月にロンドンの老舗ラフ・トレード・レコードを含む欧州ツアーの敢行したヤイエル。その噂を聞きつけてなのか、深夜3時にも関わらず超満員のルーキー・ア・ゴーゴー。観客からの期待値も高く、音出しの時点で歓声と拍手が湧き上がる。

「ヤイエル」というバンド名は、ニューエイジ思想家バジャールによる用語。2015年以降に人類が初めて接触する異星人のことを「ヤイエル」と呼ぶのだが、その異星人の鳴き声のような怪しいと不思議なサウンドが混ざり合い、演奏が始まる。
ゆったりとした雰囲気の中、最初に演奏されるは”Black Satin”。背後のスクリーンには、バスドラのサウンドに合わせて花火が打ちあがる。じっとりとした音を軸にエモーショナルなメロディーを展開。池貝峻(Vo)が高音と低音を使い分け、20代とは思えない貫録で歌い上げ、会場全体がヤイエルのサウンドの渦に飲み込まれ、自由気ままに体を揺らしている。

“Midnight Run”、”Once”など、ダークテイストの中に哀愁すらも感じるブルース由来の歌声が、ゆったりとしたサウンドに乗せられた曲が次々と演奏されていく。クラブミュージックなので、思わずゆらゆら揺れながら聴きたいのだが、その子供のような見た目からは想像できないほど完成度の高い曲の数同じに、思わず体の動きを止めて聴き入ってしまう。

「次で最後の曲です。夜遅くまでありがとうございました。」と最後に日本語で挨拶をし、始まったのは”Why”。ルーキー・ア・ゴーゴー1日目を締めくくるには相応しく、ゆったとした一曲。たった30分間で、ヤイエルの十分すぎるほどの才能を堪能するには短すぎる時間だった。

演奏が終わっても、観客からの拍手や歓声は鳴り止まず、アンコールを熱望する人ばかりだった。国境のない音楽団体を目指し、海外に向けて音楽を発信していくという、ヤイエル。必ず日本の音楽に革命を起こす存在になることを予期させる彼らの活動には、目が離せない。
来年、本ステージで更に進化したステージを見せてくれるだろう、そんな期待をせずにはいられないライブだった。

Text by あたそ Posted on 2016.7.23 09:00