ROOKIE A GO-GO 7/23 SAT TAGS : LIVE REPORT 7/23 SAT ROOKIE A GO-GO 場外

Wanna-Gonna

LIVE REPORT

そろそろここでチルしようぜ

日付が変わって一時間経過、フジロックで過ごせる残り時間の少なさにびっくりしている。疲れた体を癒しつつ、ちょっぴりセンチメンタルな気持ちに浸りたいとき、Wanna-Gonnaの音楽が流れてきた。

都内や横浜を中心に活動する5人組。アメリカンルーツミュージックに敬意を表しつつ、自分たちの音楽を追求している。寄せては返すようなベースがカントリーチックな1曲目“Terminal Shore”みたいな曲があるけれど、とくに後半の2曲が見ものだった。エイトビートを刻むドラムに、徐々に音を重ねていく“Summer Work”はまるで最近のOGRE YOU ASSHOLEみたいだし、観客側に照らされた青い光も相まって、深夜のドープな時間を作り出していた。一方“Green Green Grass”は哀愁あるキーボードの音色からはじまるゆったりナンバー。後半に泣きのギターソロがあり、どこかパワーポップ的なニュアンスも感じる。いずれの2曲も、安心して体を揺らして、ゆったりと休める。あらゆるアプローチでチルな空間を演出することに成功している。

ルーキーと呼んじゃいけないんじゃないか、というほどの安心感。竹澤浩太郎の透き通るようなボーカルも、それを支える他のメンバーも、決して前のめりになろうとせずに、現状をしっかりと見つめながら演奏が進む。中学時代に結成されたという経験値の高さからお互いをほとんど理解している、そんな様子が垣間見える知的なロックバンドだった。疲れた体がなんだか軽くなったのは、彼らのおかげに違いない。

Text by 梶原綾乃 Posted on 2016.7.24 10:12