FRF 20th SPECIAL G&G Miller Orchestra
可能性を広げるフジロック
フジロック20周年ということでいろんなスペシャルなことがおこなわれているけど、このFRF 20th SPECIAL G&G Miller Orchestraは、この日のためにJUMP WITH JOEYを中心として、三木俊雄率いるFRONTPAGE ORCHESTRAからホーンセクションが加わり総勢18名で結成されビッグバンドだ。
ヘッドライナーのベックが終わり、お客さんが減るかなと思ったら、けっこう残っていた。グリーンステージはヘッドライナーの賑わいが残るところへ、前日は「苗場のデヴィッド・ボウイ」だったクリス・ペプラーがタキシード姿であらわれてバンドを紹介する。
まずは、グレン・ミラーの「ペンシルベニア6-5000」で始まる。以前、オレンジコートにはジャズのビッグバンドはでたことはあったけど、グリーンステージでもビッグバンドのゴージャス感を味わいたかった。オレンジコートにでたバンドは朝イチだったのに対し、夜にこういうのがほしかったし。
ただ、ミュージシャンひとりひとりはベテランで凄腕揃いなんだけど、日ごろから気心通じて活動しているわけではないので、合わせるのが大変なんだろうなと苦労がしのばれる。
そしてサニーデイサービスから曽我部恵一がでてきて、「ツイスト&シャウト」「オール・マイ・ラヴィング」「ノー・リプライ」と3曲続けてビートルズ(「ツイスト&シャウト」はカヴァーだけど)ナンバーを歌う。続いてグレン・ミラーの「茶色の小瓶」でスウィングする。
次のゲストヴォーカルはエゴラッピンから中納良恵。笠木シヅ子の「買い物ブギ」を歌う。中納は今年放送されたドラマ『トットてれび』で笠木シヅ子役をやったばかりなので、堂々たる歌いっぷりにバックの演奏も引っ張り上げて完全に主役になっていた。これがこの日一番よかったところかな。
3人目のゲストは加藤登紀子。忌野清志郎によるフジロックのテーマソング「田舎に行こう」でリードを取り、中納と曽我部がコーラスで参加する。続いて加藤はジョン・レノンの「パワー・トゥ・ザ・ピープル」。中納をセンターにしてRCサクセションの「雨上がりの夜空に」。最後はグレン・ミラーの「ムーンライト・セレナーデ」でムーディに締めくくる。がっつり観ようというヘッドライナーと違ってまったり観ることができて、それでいてゴージャズ感のある音楽を夜に楽しめるのはいい試みだったのではないだろうか。フジロックにはいろんな可能性があるということで。
例えば、朝イチにオーケストラでクラシックとか。ビッグバンドジャズなら常日頃活動しているバンドにやってもらうとかいろいろと妄想が広がっていく。それとこの時間に雨が降らなくてよかった。
セットリスト(原文のまま)
Pensylvania 6-5000
Twist & Shout
All My Loving
No Reply
Little Brown Jug
買い物ブギ Shopping Boogie
田舎へ行こう Going Up The Country
Power to the People
雨上がりの夜空に After The Rainfall
Moonlight Serenade