RED MARQUEE 7/22 FRI TAGS : LIVE REPORT 7/22 FRI RED MARQUEE

THE BAWDIES

Photo by Yasuyuki Kasagi

LIVE REPORT

ロックンロールの魂転がし続けます。

2007年のルーキー出演を皮切りに2010年のホワイト、2013年のグリーンに続いて3度目のメインステージ出演となるTHE BAWDIES。この2日前には事務所の後輩バンド、go!go!vanillasとのスプリット・シングル”Rockin’ Zombies”リリース記念に東京・代々木公演イベント広場野外ステージでフリーライブを敢行したばかりだ。

昨日の前夜祭でも感じたが天井が高くなり、ステージも高くなったレッドマーキーの見やすいこと!そこにブルーの揃いのジャケットとストライプのタイで決めた4人が勢いよくステージに登場。いきなり”NO WAY””SING YOUR SONG”と続けて、タイトな出音の気持ちよさにやられる。JIM(Gt)のR&Rの粋を結集したようなリフ、TAXMAN(Gt)のブルーススケールもしっかり押さえたコードカッティングというバンドのムード、シンプルでむしろ難しいMARCY(Dr)の60s風のドラミングという土台の上でROY(Vo/Bs)のシャウトが冴えまくる。3曲目には早くもTAXMANがステージを降りてギターを弾いてるじゃないか。

ROYはインタビューでもフジロックは何回出ても緊張すると話しているが、普段から敬語のMCもどこか硬い。気合いが気負いになっているのか、でもそれが彼らのいい意味でいつまでも慣れでライブをしないストイックさにつながっていて、必然的に演奏にもそれがフィードバックされていくのだ。それにしても2007年のルーキー出演時は緊張しすぎて「もともと色白なんですが、障子みたいに青白くなっていまして。でもルーキーのステージでMCでもなんでもなく、思わず『最高だ…』と漏らした一言にみなさんが『最高だ!』って返してくれたことは忘れられません」と、フジロックへの思い入れの理由を語ると、ひときわ大きな歓声と拍手が起こった。

そしてTHE BAWDIESはブチ上げ系のR&Rじゃなくて、むしろピースフルにチアフルにステップを踏みたくなるような曲にも名曲が多い。この日もイントロのリフですでにハッピーな気分が最高潮になる”LEMMONADE”や、さらにさらに音数を減らしてメロディとリズムの良さだけで、タイトル通り本物の暖かさで包まれる”SUNSHINE”に秘められた”ソウルフル”であることの彼らにとっての意義を実感した。肩を組んで乗っているカップル、ハンズクラップする若いオーディエンス、首でリズムを取っているだけだけど笑顔の人に至っては年齢も人種も超えている。

普段のワンマンライブでもそれを命題にして活動するTHE BAWDIESだが、特にR&Rがあれば踊り続けるフジロックのオーディエンスに向けてライブをすることは、「天下取るとか興味ないんですよ。ソニックスやキンクスその他にも挙げたらきりがない先人からもらった魂を今度は皆さんと転がしていくことが望み」と言い切ったROY。

そこへグッとガレージテイストもあるソリッドな新曲”45s”や、自然にジャンプが起こる”IT’S TOO LATE”やメドレーを投下して、スタート当初とは比べものにならないほどレッドマーキーがバウンドするような熱気に包まれている。ラストはセカンドラインのハンドクラップが自然に起こり、誰もが笑顔になるような地に足のついた純度100%のロックンロール・ショーを渾身の力でやりきって、THE BAWDIESの音楽愛を夜の帳が降り始めたレッドに刻み込んだ。

セットリスト

SE有り(Wilson Picket/Land Of 1000 Dances)
1 NO WAY
2 SING YOUR SONG
3 EMOTION POTION
=MC=
4 ROCK ME BABY
5 I’M IN LOVE WITH YOU
6 LEMONADE
=MC=
7 45s
8 JUST BE COOL
9 SUNSHINE
=MC=
10 HOT DOG
11 IT’S TOO LATE
12 Medley YOU GOTTA DANCE~YEAH~LEAVE YOUR TROUBLES~YOU GOTTA DANCE
13 KEEP ON ROCKIN’

Text by 石角友香 Posted on 2016.7.22 19:44