ROVO
LIVE REPORT
共に歩んだからこそ
フジロック2日目午後、気温も上がり、砂埃が舞うフィールド・オブ・ヘブンにROVOが登場する。14時になると、サウンドチェックからそのまま演奏へ。と思ったら14時04分ころ一旦バンドは退場して、改めて入場して14時06分ころ勝井の「フジロック20周年おめでとうございます。ROVOも結成20周年です」とのあいさつからスタートする。満員に近いヘブン。椅子は畳むようにスタッフにうながされさらに詰めるようにいわれる。
益子のシンセサイザーが会場を包むように鳴り、最初はマスクをした山本のギターがささやくように呼応する。芳垣と岡部のツインドラムがリズムをキープして、原田のベースが地を這うようにうねる。そして勝井のヴァイオリンが宇宙空間のような音像を作り上げる。
ROVOにはいろんなパターンがあるけど、この日は緩急をつけながら、盛り上げていき、最後に頂点になるような構成だった。1時間というROVOにしては短い時間に、ROVOの豊潤さが凝縮されたステージを作っていた。
そしてやっぱりROVOにはヘヴンがよく似合う。それを十分にわかっているお客さんたちとの呼吸を感じられて、暑くて日差しがジリジリくる環境なのに音が救いになり、意識は宇宙へ飛んでいく。
原田が一段高い台に登り両手を挙げてお客さんたちを煽り、たくさんの腕が挙がったシーンは感動ですらあった。フジロックと歩んだROVOは、こうして多くの人たちと共有される存在となった。この歩みはお互いにとって必要なものだった。それを実感させるステージだった。ラストの「SINO DUB」の壮絶なプレイを観ていてただただ幸せを感じていた。
セットリスト(原文のまま)
BATIS
ECLIPSE
KMARA
SUKHNA
SINO DUB