MARK ERNESTUS’ NDAGGA RHYTHM FORCE
観客を汗だくにしたポリリズミックなアフロダンス
3日連続晴れとなったフジロック最終日。そのなかでも一番の天気に恵まれた最終日はお昼前から強い日差しが照りつけた。すでに大勢の観客が集まっていたグリーンステージの1番手には、マーク・エルネストゥス・ンダッガ・リズム・フォースが登場する。ベルリン在住ミニマルテクノ/ダブ界のベテラン・プロデューサーであるマークと、セネガルの一流ミュージシャンたちがコラボしたプロジェクトだ。ステージの上には何種類ものジャンベやドラムが用意されている。
定刻どおりに、女性ボーカリストを含む7人のミュージシャンたちがステージに登場し、演奏を始めた。ポリリズミックなビートに、ボーカリストの女性がリバーブを効かせた歌声を乗せる。そこへ黒レギンスの上に赤い巻きスカート、金色に輝く編みニットを身につけた女性ダンサーが入ってきた。ステージ上を右へ左へと移動しながら、細い体を激しくくねらせ、ユニークなダンスを踊る。しなやかな筋肉で膝を高く上げ、細かくリズムを刻む野生的なダンスがエネルギッシュで素晴らしい。トランス状態へ誘うようなリズムの連続に、観客も一緒になって踊る、踊る!
中盤には、トーキングドラムを叩く男性がグリーンステージの花道まで降りてきて演奏しながら練り歩くというパフォーマンス!最後には誰からもらったのか千円札を口に加え、ノリのいいセキュリティの男性と掛け合う場面も。迫力あるサバールドラムの演奏や、アフリカンなグルーヴを放つアフロダンスがかっこいい。一方で、「イマニホンニイマス!ヨロシクオネガイシマス!」というMCがキュートだったり、ダンサーやメンバーが飴ちゃんを観客エリアに投げ入れたり、独特なテンポで観客の心をつかむ。複雑な展開で進行するリズムや音世界が、グリーンの観客を世界の反対側までトリップさせてくれた。普通に生活していたらなかなか出会えないような音楽に触れられるのはフジロックの醍醐味のひとつだけれど、マーク・エルネストゥス・ンダッガ・リズム・フォースはまさにそんなフジロックらしいアクトだった。
セットリスト(原文のまま)
1. Yermande
2. LAMB Ji
3. WALO WALO
4. JiGEEN