ROOKIE A GO-GO 7/24 SUN TAGS : LIVE REPORT 7/24 SUN ROOKIE A GO-GO

HERO COMPLEX

LIVE REPORT

真のヒーローはここに!熱気あるライブに目が離せない

レッチリのライブ終了後、多くの人が帰路を目指す中、まだまだ20年目のフジロックが続いているルーキー・ア・ゴーゴー。

ステージの真ん中。三人で円陣を組み、十分な気合いを見せるのは、北九州発メロディックパンクバンドのヒーロー・コンプレックスだ。

まずは、今年の3月にリリースされたミニアルバムから、”Answer”、”Star”、”You can do everything”と、アルバムの曲順通りにライブが進んでいく。英語詞と日本語詞を織り交ぜた歌が、風太(Gt&Vo)としんぺー(Ba&Vo)のパワフルに掛け合うツインボーカルに乗せられている。
やす(Dr&Cho)のBPMが速いながらも堂々としたドラムのビート。人前に立つことに慣れていることを感じさせる、フロント2人の演奏。ギターソロや曲の合間などではステージ上で縦横無尽に暴れ回り、見せ場をしっかり作る。このフジロックのステージに出演するまで、ライブハウスで毎日本気の演奏をし続けてきた彼らの経験が生かされていた。
途中のMCで「頑張ってない奴はこんな凄えステージに立てないんだよ。バンドやってる人全員がこのステージに30分間立つ権利を欲しがるんだから、この時間をクソ贅沢に使わせていただきます!」と言う、風太。このフジロックにどれほどの夢や憧れを抱いてきたのか、そして今どんな思いで立っているのか、熱い気持ちが言葉と無造作にかき鳴らすギターと共に伝わってくる。

彼らの表題曲の一つでもある”You and I”は、疾走感のあるナンバー。国籍関係なく観客は手を挙げ、彼らの真剣で熱気に満ち溢れたライブに感化されているように見える。序盤は人気も少なかったのだが、彼らの情熱を感じ、足を止める人々も多く見られたのだった。

外国からの観客も多いからなのか、「ウィーアーベリークールバンド!」と拙すぎる片言な英語で海外から来た観客にも自己紹介をする。その後、「明日も一日頑張りましょう!」と最後に演奏が始められたのは、”Tomorrow”。最後の曲らしく、全ての力をこの一曲に託すとでもいうような力強いサウンドだった。名残惜しいのか、それともステージからの景色を目に焼き付けようとしているのか、会場全体をじっと眺める風太の姿が印象に残っている。

ライブハウスで培ってきたものを、苗場のステージに全て置いてきたヒーロー・コンプレックス。真摯に音楽と向き合ってきた気持ちの強さや熱意に、見入ってしまった人も多いはず。まだまだ荒削りなところも見られたけれど、人の心を動かすライブ、一瞬たりとも見放したくないステージは今後も注目していきたい。

Text by あたそ Posted on 2016.7.25 03:02