YOUR SONG IS GOOD
真のクロージングアクトが魅せた“4日目“のベストパフォーマンス
フジロック17のオーラスを務めるYOUR SONG IS GOODのライブが始まったのは月曜日午前4時7分。前アクトのLicaxxがプレイ時間を押したように、おそらく誰もが終幕を惜しむだろう時間帯ではないだろうか。
ニューアルバム「Extended」を引っさげ3年ぶりの登場となったユアソンは、さっそく新作から「New Dub」の軽快なリズムで生き残ったフジロッカーズをほどよく揺らしていく。そして自ら発したエレピの音をディレイで飛ばし、リーダーのサイトウ“JxJx”ジュンは高らかに宣言した。「フジロック4日目YOUR SONG IS GOODです、よろしくお願いします!!」。
今回のパフォーマンスは「Extended」の方向性と同様、前作「OUT」リリース以降のダンスミュージックモードを深遠化させたグルーヴ感の強いものに。甲高いパーカッションや扇情的なホーン、そして継続的なビートなどなど多層的かつ芳醇なサウンドを浴び、我らオーディエンスはあんなに名残惜しかったはずの時間をあっという間に過ごすこととなった。
「Extended」からのナンバー「Double Sider」でじっくり踊らせ、そして前作「OUT」から扇情的なダンスチューン「The Cosmos」でブーストさせるという起伏に富む選曲で攻めたライブ中盤。JxJxはレッドマーキーの空間いっぱいにオーディエンスの歓声を受けながら、自らも「ヤバい!“4日目”めちゃくちゃ楽しい」と笑顔を見せる。この時点で閉演予定まで残り10分足らずだというのに、彼は「まだまだ飛ばしていくんでよろしく!」とさらに煽り立て、突き抜けた明るさの「Pineapple Power」をメンバーとカマした。
ステージ背面のスクリーンにはビーチやフラガールなどのトロピカルな実写映像とスペーシーなCGが交互に映し出され、ここぞという山場にはステージ上のミラーボールまで回り出す。終盤に向かうに連れ空は青くなるが、この半インドアのレッドだけは狂騒的な真夜中のパーティーのままだ。そのパーティーの主役たるバンドは、約1時間の熱演を経てミドルテンポのメロウチューン「Waves」をしっとりプレイして本編を終える。しかしせっかくのラストアクト、我々オーディエンスは継続の意志を喝采でアピールするほかない。その様子をすかさず感じ取ってくれた彼らは、スタッフに確認してからその場でアンコールを展開。こちらの体力を使い切らせにきたかのようにパワフルなラテンチューン「Boogaloo Express」をプレイ。のちに全員でアウトロをアンサンブルし、豪快にパフォーマンスを締めくくった。
演奏後にサルソウル・オーケストラ&ロレッタ・ハロウェイの「ランナウェイ」が流れる中、JxJxは充実した面持ちで「最高でした!また一緒に遊びましょう!」と声を上げる。こうしてYOUR SONG IS GOODは、234組が彩った苗場の夏、“フジロック4日目”を完全燃焼させたのだった。いやあフジロック、今年も最後まで盛り上がったな!!