RON SEXSMITH

Field of Heaven | 2011/07/29 18:46 UP
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優しさに包まれた、まさに「ヘヴン」の時

 フィールド・オブ・へヴンは、ロン・セクスミスを観るために、ステージ前には立っている人で埋められていたけど、PAブースよりちょっと手前から後ろのお客さんたちは座っていた。もちろん、ぬかるんだ地面に座るのではなく、キャンプ用の椅子を用意しているのだ。そんなお客さんが半数以上を占めた。それは「へヴンの住人」だったかもしれないけど、ロン・セクスミスを楽しむには、椅子に座って味わうように、その優しい歌声に包まれるというのもいいんじゃないかと思えたのだ。自分は椅子の用意はなかったけど、また聴く機会に恵まれたらぜひそうしたい。

 ロン・セクスミスは、キーボード、ベース、ドラムを率いて、アコースティック・ギターを弾き語るというスタイル。選曲は新しいアルバム『ロング・プレイヤー・レイト・ブルーマー』が中心だった。ポップで、まったりと優しく職人的に紡がれる歌の数々は、まさに、曇天のヘヴンにピッタリであり、熱とか盛り上がりはないけれども、音楽がじわじわと染み込んでいくのだった。ビートが強い音楽が多いフジロックの中で、こういうアーティストがいるのは、まさにオアシスだ。ロンも淡々と演奏し、ゆったりと進む時間の中で、一曲一曲が愛おしい。

 『ロング・プレイヤー・レイト・ブルーマー』からの曲はどれも素晴らしくて、生で演奏されると、さらにまろやかさを増す。懐かしいところでは、”Thinking Out Loud”もやってくれた。ただ、心残りは”Secret Heart”がセットリストから外されたことだ。おそらく、久しぶりに名前を思い出してヘヴンに足を向けたり、通りがかって足を止めた人もいるだろうから、そういう人たちに応えてもよかったんじゃないかな。それだけが非常に残念。でも、それ抜きでも本当によいライヴだった。


文:イケダノブユキ
写真:Julen Esteban-Pretel
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