WIDESPREAD PANIC

Field of Heaven | 2011/07/31 10:42 UP
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ジョージア産サザンロック。グルーブの波を体感したか

1日目に続いて、2日目のフィールド・オブ・ヘブンのトリを飾ったWIDESPREAD PANIC。80年代半ばから活動を続けている彼らは、アメリカはボナルーフェスティバルで2002年ヘッドライナーを務めたことなどからわかるように超実力派バンドなのだ。知る人ぞ知るジョージア産ジャムバンド、WIDESPREAD PANICの初来日を飾ったのがこのフジロック。しかしなぜそんなかっこいいバンドが初来日なのか。様々な噂が飛び交う中、興味深い話を聞いた。
 

 WIDESPREAD PANICの意味を直訳すると、「広がる パニック」。日本で起きた東日本大地震や原発事故のニュースを見て、彼らは自信のバンド名を恥じたそうだ。そしてその罪滅ぼしのため、今回の来日が決まったとか。いや、あくまでも噂の話。しかし、今まで本国アメリカでのライブがほとんどだった彼らがわざわざ日本にまでやってきたのは、、、と考えるとあながち信用できる気もする。
 

 ま、まぁそんな彼らが理由はともあれ、初来日にフジロックを選んでくれたのは喜ばしい事件だ。しかも夜のフィールド・オブ・ヘブン。2日目の夜ともなるとさすがのフジロッカーも疲れがたまってくるこの時間。しかし彼らはそんな僕らを休ませてはくれないのだ。結果から言うと、MCはほとんどなくアンコールも合わせておよそ2時間半のアクト。足が棒のようになったが僕は今年のこのライブを絶対忘れないと思う。彼らのライブには1曲という概念は無く、それはメドレーのようにほとんど切れ間なく続いていくのだ。休む暇も無いとはこのこと。しかし僕たちは踊り続けた。PA上にあるミラーボールが周辺の木々に光の玉を作っていく。そんな景色に良い音楽が相まって僕たちはWIDESPREAD PANICの世界にトリップしていったのだ。超絶ギターソロに、図太い6弦ベースが体の芯を揺らす。ドラムはしっかりリズムを刻み、パーカスはひたすら16分でお客さんを飽きさせない。そして鍵盤は時にリズミカルに、そしてメロディックに。こんなバンドに演奏されたら、足を止める暇なんてないのだ。2012年彼らは活動休止を宣言している。このフジロックでのアクトを見逃したら、たとえアメリカに行ったとしても、当分見ることができない。僕はこの記事を書くという事がなかったら、きっと最後まで見てなかっただろう。この境遇に感謝したい。そして見逃した人!残念でした!



文:丸山亮平
写真:北村勇祐(Supported by Nikon)
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