音楽を通じてできるコミュニティ
ようやく、ようやく待望の晴れ間がでてきたフジロック3日目14:10からホワイト・ステージではブリティッシュ・シー・パワーが演奏する。他のステージとの被りは痛いけど、ホワイト・ステージもそれなりに人がやってきた。ステージ上のマイクスタンドやアンプなどには、木の枝が飾られている。日差しは出ているけど、風がそよいでいるので、暑さが苦にならない。
バンドが登場して、まずはコール&レスポンスをおこなう。そして”Remember Me”から始まる。ステージには、基本的にギターが2人、ベース、ドラムス、キーボード、ヴァイオリンという編成だけど、キーボードのフィル・サムナーはギターを弾いたり、コルネットを吹いたりする。たくさんの楽器で音の重なりを表現すると共に、みんなで演奏する楽しさを観ている人たちに伝えるバンドである。こうした「コミュニティ感」は音楽性はともかく、ベル&セバスチャンなんかにも共通するものだ。
ヤンがフォトピットに降りてお客さんと触れ合ったり、”Waving Flags”では一斉に手を左右に降ることをお客さんたちに求めたり、マーティンがステージ脇のスピーカーの上に登ったりと、元気に自由に楽しんでいる姿をみせる。さらにハミルトンは「フジ! フジ! フジ!」とコールさせたりもする。お客さんたちもそれに応えた。特にヴァイキング風帽子(ヘルメット?)を被った外国人集団がPA前あたりに進出して盛り上げに一役買っていた。そうしたコミュニティに参加させ、聴く者を幸せにするような力があるのだ。
写真:熊沢泉 (Supported by Nikon)
文:イケダノブユキ