カフェドパリでLet’s Dance!
前夜祭に引き続き、本日も暑い。こんなに天気の良いフジロックを迎えられるのは久しぶり。この暑さの中、フジロックの会場で最も奥地に位置するライヴステージ、カフェドパリまで来たお客さんはゲートから遠い距離を移動してきているので、初日の1番手にもかかわらず、顔に疲労が見えている…。そんなこともあってか、ビールを片手に座ってライヴが始まるのを待っているお客さんが多い。
かわいらしい洋服に身を包んだザザがアコーディオンを抱えて1人でステージにあがり、「ザザ・フルエルは日本語だと、ツァツァ・フォルニールよ」と言ってライヴが始まった。歌い終わりには「アリガトウゴザイマス」と、はにかみながら言う姿がとってもキュートだ。何気ない振舞いからも、どんな人にも好かれる雰囲気を感じとることができる。2曲目からはギターのサポートが入り、しっとりと聴かせるアコーディオンのソロから、一気にロックの色が強くなった。
ライヴの中盤では、後ろで観ているお客さんに「もっと中に入って観てよ!」と英語とフランス語の両方で話しかける。みんながぞろぞろと中に入ってくると「私がみんなの匂いをかげる距離で。みんなを触れることができる距離に来て。みんな、恥ずかしがり屋なの?」と言うザザ。こんな台詞をカワイイ子に言われたらお客さんは黙っていられるはずもなく、ステージ前がぎゅうぎゅう状態に。
「ロックンロールでどうやって踊るか、あなたたちは知っているの?」とザザがステージから降りてきて、お客さんと一緒に踊りだすとカフェドパリが一変し、そこはもうダンスフロアだ。10センチはゆうにあるヒールを履きながら、お客さんと手を取り合いながら輪になってダンシング。ステージングの展開がまったく読めないので、次はどんなことをするのだろうという期待が自然と沸いてくる。ラストの曲でも「次が身体を動かせる最後の曲だよ」と紹介し、徹頭徹尾、お客さんを躍らせることを考えてくれた。
フレンチ・ポップの歌手、アコーディオン奏者という2つの顔を堪能できる上、フランス仕込みのダンスを学習することができるライヴであった。明日、明後日もカフェドパリでライヴを行うので、見逃した方はぜひ観てもらいたい。
ZAZA FOURNIER
写真:八尾武志/文:小川泰明