GREEN STAGE, | 2012/07/28 13:30 UP

モーフの旅

木々の間のやさしい宇宙

「フジロック、特に木道亭に出たいって長年考えてきたけど、夢がかなった!」とはステージ中の本人のMC。昼下がりの木漏れ日きらめく緑。木道亭と、モーフの旅である。

バンドの中心であるマンドリンとボーカルのモーフ。保育園の子どもたちや世界の人々に歌をと、各地をまわりながらその歌を聞かせる(実際にフジの翌日は山口県にいるとのこと)という、まさに名は体を表すグループ。歌う旅団の大舞台が始まった。

スティールギター、カホン、マンドリン、口琴・カリンバ。いわゆる「ヘブン系」アーティストの面々により構成された、クセのある楽器だけの四人である。この楽器編成でいったいどんなサウンドを…?と思うが、サウンドに触れればそれは驚きとともに氷解する。

マイナーな楽器の構成ながら、そこから生まれ出るのはむしろフォーク、いや童謡にも通ずる類の音が聞こえてくる。保育園の子ども達に歌を届けているという活動からなのか、音は優しく、歌詞は世代を関係なく響きそうな言葉で耳に触れてくる。「森からいろんなものを教わりました、次は森の、お母さんの曲を」そして紡がれる音、うたがたり。

「さあ、出発だ」といって、彼は歌を、旅をはじめる。それを浴びながら、ふと上を見上げる自分がいた。この伸びやかな音の広がりを浴びて、緑の中に溶けて、木々の幹を伝うように空にのぼっていく…なんていうのが見えるんじゃないかと思って、私はついつい上を見てしまった。木道亭にあったのはそんな空間の音楽だった。


写真:輪千 希美 文:ryoji
同じカテゴリの記事
最新レポート
ENGLISH ver.
FUJI ROCK FESTIVAL'12 SMASH
FUJIRICKERS.ORG facebook twitter SMASHING MAG HUNTER FUJIROCKERS WEB SHOP

STAGE|ライブの模様を速報!

未来は描かれてはいない。描くのは私たち。

MORE FUN|会場から楽しいレポートをお届け

TWITTER|FUJIROCKES集合!みんなのツイート

▲PAGE TOP