ライヴ感満載のダンスアクト
DJを務めるサラーム海上のMCからそのままBGMが始まり、女性ダンサーが3人、5人と出てくる。まとう衣装はカラフル、露出が高く、それを覆う布地が踊りに合わせてたなびく。リズムに合わせて腰や上半身が横揺れする、妖艶なベリーダンスの世界だ。
エキゾクラシックな音楽から、打ち込みビートとシンセサイザーによるクラブミュージックなど、時折えふぇくともはさみながらのサラーム海上のDJによる表情豊かなBGMのセレクションが続く。テーマは次々と変わり、踊りも曲ごとに人とシナリオを変える。
あまりダンスに触れる機会がなかった自分からすれば、このベリーダンスは意外だ。少女らしい仕草を見せたり、コケティッシュな挑発を見せたりと、歌に乗る言葉がまるでわからないのに、そのストーリーが見えてくるではないか。感覚で伝わるダンスの巧みに、昼下がりの満足を覚える。
だが中盤にさしかかりトラブル発生。曲ごとの振り付けが割り当てられているにもかかわらず、曲が途中で別の曲に差し替わってしまうという事態が続けて起こってしまった。続けての事態に、若干緊張感が走る…と思ったら、それをフォローするようにフロアから手拍子が自然発生する。ダンサーにおどけてお金を渡そうとするサラームの演出なども会場の笑いを誘い、3度目の正直に一体感も味付けされた、ちょっとしたハイライトを迎えた。
その後も、空中紳士によるダルブッカ(ベリーダンスなどで用いられるアラブの打楽器)が甲高い打音を打ち鳴らして会場を沸かせ、ダンサーもステージを降りてこちら側に至近距離のセクシーを披露するなど、見どころ多く、カフェドパリのエンターテイメントの華となっていた。
写真:加藤智恵子 文:ryoji