3日目のホワイトステージは驚きの再結成組2連発、AT THE DRIVE-INとREFUSEDで締めくくられる。両者ともに世界に大きな衝撃を与えたバンドであり、彼等をお目当てにして、苗場まで乗り込んだという人もきっと多いことだろう。まずは先行で14年ぶりに再結成を果たしたスウェーデンのハードコア・バンド、REFUSEDが登場。特別な夜をホワイトステージに集まった人々にプレゼントしてくれた。
REFUSEDと切り抜かれた巨大な垂れ幕が”Worms of the Senses”のライヴのスタートとともに落下し、既に演奏を始めている5人のメンバーが目も耳もステージに釘付けに!高いテンションとタイトな演奏でハードコアの狂乱を生み出し、ヴォーカルのデニス・リクスゼンの感情のこもった叫びが魂を震わせる。何公演かはこなしているとはいえ、14年ぶりに再結成しているとは思えない力強いパフォーマンスを繰り広げ、予想をはるかに超えるかっこよさに思わず唸ってしまう。さらに” Liberation Frequency”と”Rather Be Dead”などを演奏しながら、会場の期待に応えていく。
ルックスもスタイルも抜群のデニスはその動きでも注目を集め、華麗なステップ&ダンス、なめらかにクルッと回転してみせたり、クネクネとした動きを見せたりと、色々と魅せながらステージを駆けまわる。さらには、驚愕するほどの大ジャンプが観客の興奮を煽る。
そんな中、MCでは「日本へ来るのにこんなにも長い年月がかかってすまない」と発していたのが印象に残っている。もしかしたらこれっきりかもしれない彼等を見るために、ホワイトステージは結構な人で埋め尽くされ、著名なミュージシャンも数多く駆けつけていたと聞く。この時を心待ちにしていた人は本当に多い。と同時にREFUSEDというバンドの影響力を改めて感じる。
その後も” Refused Are Fucking Dead”や”The Shape of Punk to Come”といった代表曲が続き、会場の興奮や熱がどんどんと高まりをみせる。歓声があがった冒頭のギター、そして「Can I scream?!!!」の絶唱から始まった “New Noise”でのステージ付近のお客さんの暴れっぷりに恐ろしさを覚えたほど。おそらくライヴが最高潮に高まった瞬間だったように思う。個人的にはこの曲の最後で「The New Beat!!」と力いっぱいに叫び続けたところが特に強く印象に残っている。そして、ラストは、”Tannhäuser”で勇壮かつ激しくライヴを締めくくる。最後は、充実感からかステージ中央で5人が肩を組んで一礼し、デニスが右手の拳を高らかとあげて観客の大歓声に応えていた。
再結成前と変わらぬパフォーマンスという表現はもちろんできないが、熱く感情が迸るステージには凄まじいインパクトがあった。白状すると、僕もフジロックに出演すると決まってからREFUSEDを知った口。だが、この瞬間に立ち会えて本当によかったと思う。今年のフジロックのベストアクトにあげる声がどれだけたくさんあったことか、それも理解できる。伝説と言われた存在のライヴを体験できた喜び、感動、そして感謝。そして、今回見ることができなかった人のためにも、再び日本でREFUSEDを見る奇跡が訪れることを願うばかりだ。
REFUSED
写真:深野輝美 文:伊藤卓也