東京の下町から、重厚なブルースを聞かせる
東京の下町、足立区から飛び出したゲットーブルースパンクバンド、ボトルズハウス。バンド名からして香しい期待感を持たせてくれる。
開始の2時になると、飛び切り威勢の良く出てきたのはボーカル、こすげ。アフロヘア―に柄物のシャツいなたさ全開で、のっけからオーディエンスの目を惹く。
「今日THA BLUE HERBを見てきて、『ここから始まるフジロック、強者たちが待ってるぜ』って言った時、俺涙出てきたんだ。なんでかわかるか?…ただで見てるからだよ俺は。そしてもう一つ。『強者たちが待ってるってさ』って俺、あいつらより後に出るんだから、それ、俺のことじゃん!って涙出ちゃって」
昨年は、ルーキーに出演していたTHE XXズの物販としてフジロックに参加していたこすげは、その時に味わった体験やバディ・ガイがキャンセルになってしまったことなど悔しい思い出を語るが、そんな思いは、このステージで完全にスパークしている。
所帯じみたMCとは裏腹にキレキレのロックロールをかます彼らは、今年のルーキー出演者の中でダントツの演奏力を見せつける。みるみるステージ前には、通りすがりで聞きつけたお客さんを引き寄せ、3日目の深夜の注目をかっさらっていった。
写真:岡村直昭 文:千葉原宏美