バイク派フジロッカーの頼れる味方
深夜までぶっ通しで更新作業を重ね、ヘロヘロになって宿に戻るを繰り返す我々スタッフ。その中で僕はバイク乗りだったりするんですが、まあボロボロの思考回路は時々ヘマをしちゃいますよね…。ということで、今年はなんとバイクの電源を切り忘れたまま宿に入ってしまい、朝起きたらバッテリーが…という事件を起こしてしまいました(泣)。
そんなわけで、入場ゲート手前にあるストリートバイカーズのブースに駆け込みました。「スタッフの人なのに?」と笑いながらも助けてくれたのは、サイケな装いの紳士であり、雑誌『STREET BIKERS’』編集長のYASこと安田さん。なんと24時間体制でブースにおり、僕のような迷える子羊に光を授けている(笑)わけです。バイクを押してブースに辿りつけば、「OK、なんとかしてみるから後でまたここに来て」と頼れる言葉!戻ったらもちろんブルルンとバイクが息を吹き返しました。感謝の気持ちをこめつつ(笑)YASさんにインタビュー、バイカー事情とサイケなブースの理由を教えてもらいました。
「苗場が始まって3回目からずっとやっているよ。きっかけは、バイクの人がフジには多いから僕らでバイクの面倒を見させてほしいって日高さんにお願いしたんです。管理だけじゃなくて修理ができるから、僕らが困っている人を助けますって。それでスマッシュから許可が出て、最初はハイエース1台と折りたたみ式テント2つだけでやっていたんだ。そしたら頼ってくる人が多くいて、3、4年くらいしたらスマッシュも予算を組んでくれるようになった」
―実は僕たちスタッフの中にも移動中にバイクが壊れて助けて頂いたという人間がいます。
「そうだね、何回かある(笑)。でも最近は修理がずいぶん減ったね。カスタムブームの移り変わりっていうのかな。フジロックに来る人がカスタムじゃないバイクで来るようになったから、壊れないようになった」
―そういう移り変わりがあるんですね。ちなみに皆さんがされているのはどういった対応を?
「パンクから何からすべて直す。僕らは月夜野のバイク屋さんと提携していて、どうしてもここじゃ…っていうのは引き上げてもらったりもするよ。できるだけ自分でちゃんと帰れるようにするんだ」
―中には帰れないことも?
「過去に3回くらいかな。どうしても直せなくて、僕らのバンで運んだこともあるよ」
―逆に言えば13回の出展中3回だけ、っていうのは非常に少ないですよ。
「まあそれだけなんとか帰れるようにしているんだね。で、こうやってやっていると、次の年にみんな差し入れとか持ってきてくれたりする。別にそんなことが目的でもないんだけど、そうやって繋がって、ここに来ることを楽しみにしてくれているっていうのが一番嬉しいね。今じゃ顔見知りの人が何人もいるよ」
―「今年もきたよー」、みたいな?
「そうそう。(近くのバイクを見ながら)そこのバイクの人は、毎年僕らが配っているステッカーを荷物に何枚も貼ってくれていたりとかね。そうなってくると、僕らも辞めらんない(笑)、やめる気はないけど」
―僕も、ずっと続いてほしいと思っていますし、続くでしょう。
「日高さんもバイク乗りで、この苗場だってバイクに回って探して見つけたっていう話を聞いたことがある。だから一番ゲートに近いところにバイクを置いてもらえたりとか、日高さんのバイク乗りに対する愛情みたいなものを感じる。それにはみんな感謝しているよ、僕も含めてね」
―そうだったんですね、あとティピカルなイメージですが「ロックンロールとバイク」ってすごくつながりのあるキーワード同士ですよね。
「だね。まさにっていう人も何人かいる。さっき来た人もそんなヤツだった(笑)。まあそんな人ももちろんいるけど、そういうことじゃなくてバイクはバイクで好き、音楽も音楽で好き、だから苗場はバイクで行こうっていう、バイク乗りだから電車や車じゃなくて自然にバイクをって思う人が多いね」
―僕もビッグスクーターだしなあ。
「そういうので構わないんだよ。バイクは来られるので来ればいい」
―了解です(笑)。さて、フジロックをはじめ、フェスがカルチャーとして続いていくと思っています。今後どうなっていってほしい、みたいな願望ってありますか?
「その時の音楽シーンのニーズをスマッシュの人たちが考えていくわけだから、フジロック自体に僕がこうあってほしいっていう要望はないな。ただ最近、このブースではタイダイを着たり、サイケデリック・ロックを表現するようにしているんだ。会場にはここっていうのはないから、ここをエリアとして出すようにしている。そしたら意外と人も寄ってくれて、外国の人とかが『デッドハウス』って言うようになって(笑)それでいいやって僕も思っている。昔のヘブンの雰囲気っていうのかな」
―確かにここ数年でサイケな感じになりましたね。それでは最後の質問です。フジロッカーやバイカーの人びとにメッセージを!
「単純に『楽しく来て、楽しく帰ってね』っていうだけだよ(笑)。それのサポートができるがゆえに僕らはここにいる理由がある。あとはどんな音楽や趣向であろうが、僕らは全然ウェルカムです」
いやはや、本当の本当に助かりました…!この頼りがいのあるブースはバイカーでなくとも千客万来。中では麦茶やマンガなどもあるくつろぎスペースもありますのでぜひ皆さまお立ち寄りを。
そして、僕が自信を持って言えるのは、バイク雑誌なら間違いなくストバイ(笑)!公式サイトもぜひチェックしましょう。
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